2009年7月31日

卵が4個


 3日ぶりで自宅から山小屋へ戻った。ヒヨドリの営巣を確認したのが7月15日だったから、もしかすると雛が孵っているかもしれないと期待していたが、まだのようである。でも、抱卵してから13~14日目頃に孵化するそうだから、うまくすれば今回の山小屋滞在中に雛の誕生に出会えるかもしれない。窓のすぐ脇で、可愛い雛がえさをねだってピーピー鳴くのを聴けるのも、そう遠くないだろう。
 先日(24日)、親が留守のとき、巣の中をのぞかせてもらったら、卵が4個あった。巣のつくりは、どうして、どうして、なかなか精巧なつくりである。以前、「粗雑だ」とこのブログに書いたのを撤回したい。写真は、このときのもの。

2009年7月20日

ただ今、抱卵中につき


 朝起きてコーヒーを飲んでいたら、窓際のハクウンボクで営巣しているヒヨドリと目が合った。(ような気がする) 彼女(?)は、じっと空中を見つめながら、お腹を深々と巣の中に沈み込ませて、一心に卵を抱いている。長い尻尾が巣からはみ出て斜め上に持ち上がっている。彼女は、必ず南側から巣に入り、ちょうど小屋の入口や部屋の中がのぞける角度に座るから僕の動きが丸見えだ。そこで、安心して子育てしてもらうために、僕もだいぶ気を使っている。ドアの開け閉めは、そっと素早くやっているし、部屋にいるときも出来るだけ静かにしている。ログの板壁を隔てて置いてあるCDも出来るだけ音量を小さくしている。雛が孵ったら、静かなクラシック曲を流してやろうと思っている。きっと、子供たちは、素晴らしい鳴き声のヒヨドリに育つだろう。

2009年7月19日

片野の排禍ばやし



 つくば環境フォーラムの筑波山観察会が終わって、汗を流そうと、バイクで石岡の風呂に向かった。明るく赤みを帯びた空と緑濃い稲田の海。筑波連山のシルエットを背景にして、広々とした稲田の上を風が渡る。
 山里の夏の夕方。前方の遠くにから、お囃子の音色が聞こえる。山車を囲む人の群れも見えた。そうだ!今日は、片野のお祭りだ! 近づくにつれ、子供や若者の歓声が聞こえてきた。山車の上では、笛や太鼓、鉦に合わせて、狐や獅子、ヒョットコやオカメが踊っている。大きく育った稲田の道を、キツネの山車が通る。何だか、遠い昔、見たことのあるような、あるいは夢でみたことあるような、懐かしいような寂しいような不思議な気持ちになった。

2009年7月15日

鳥の巣


 うかつだった。南東の角に植えてあるハクウンボクの木に、ヒヨドリ(たぶん)が巣を掛けたのを、まったく気づかなかった。それも、地上から約3mの高さで大きな葉が密集しているあたりにあって、小屋の東側の窓から2mも離れていない。子育ての様子を観察するのに絶好の場所である。巣はかなり大きい。しかし、こう言っては何だけど、エナガなどの小さいが精巧なつくりに比べると、その辺から拾ってきたビニール紐を多用したかなり粗雑な造りである。巣作りにも、鳥の性格(?)が現れているような気がする。
 この写真を写したときは、まったく動きが無くて、すでに巣立った後か、途中で放棄したものかと思った。しかし、今日の夕方、木の下を通ったら、突然、葉の中でガサゴソと音がした。どうやら、まさに営巣中らしい。安心してもらうために、さっそく巣の近くの窓のカーテンを閉めた。明日からは、営巣木にも近づくのはやめよう。(写真をクリックして、中央部を探してください)

 


庭の生きものたち


 昨日、梅雨が明けたそうだ。強い光が庭に溢れている。窓を開けると、気持ちの良い風が吹き込んでくる。庭のいたるところで生きものたちの姿が見られる。ノシメトンボにアキアカネなどのトンボ類、ものすごく細い腰をしたジガバチ、カナブンやノコギリクワガタなどの甲虫類、それに今日は朝から、枝垂桜でアブラゼミが盛んに鳴いている。
 昆虫ばかりではない。今朝、庭に出たら目の前を、やや大きなアカガエルが、すごい勢いでジャンプしながら横切った。すると、その後から中くらいの綺麗なシマヘビが、これまた、ものすごい勢いで追いかけてきた。蛙も蛇も、こんなに速く走るのを見たのは初めてである。両者とも必死なのだろう。蛙を助けてやろうと思って、足で地面を叩いて僕の存在を示したら、蛇は気がついて追うのを中止した。朝飯を取りそこなった蛇には気の毒だが、僕はどちらかというと蛙の味方なのだ。昨日も、小屋のすぐ前で、長さがが2mもあるような大きなシマヘビを見かけた。今朝のとは、別なようだ。なんだか、庭に蛇がうようよいるようで、気色が悪い。
 これは、目撃したわけではないから確かなことは言えないが、ハクビシンにプラムをすべて奪われた。庭の隅に植えて数年がたち、今年、初めて果実が稔ったので収穫を楽しみにしていた。ところが、一昨日、小屋に着いて、真っ先にプラムの木を見て唖然とした。ひとつ残らず、実が無くなっているのである。はじめは、人間(泥棒)の仕業かと思ったが、植えてある場所は、外部からそう簡単にわからない奥の方だ。きっと、ハクビシンの仕業に違いない。それにしても、始めて稔ったのだから、1個ぐらいは残してくれても、いいじゃないか。

 

ヤマユリガ咲いた


 梅雨明けの今頃になると、山小屋は甘い濃密な香りに包まれる。周辺の斜面に、ヤマユリが一斉に咲くのだ。夕べもこの香りに誘われて探してみたら、小屋の北側の斜面の中に、夏草に埋もれて見事な花が咲いていた。この斜面につづくお隣の杉林の斜面にも、たくさんのヤマユリが一面に咲いている。きっと、夏のたそがれ時に、山沿いの道を散歩する人は、この香りに酔いしれるだろう。
 信じられないことだが、お隣のおじいさんが、「百合を取らないで下さい」と立て札を立てて大切にしているにもかかわらず、球根を掘り起こして盗む人が後を立たないという。自分の庭で育ててみたいからだろうか、それとも百合根を食べるのだろうか?困ったことだ。

 いつか、私のところの斜面も、たくさんのヤマユリの花で飾ろうと思っている。もっと増やすには、どうしたらいいのだろうか?

2009年7月6日

何かが住み着いた

 先週の後半から、最近出版された梨木香歩の「f植物園の巣穴」(朝日新聞出版2009.6)を読んでいる。そのせいか、梨木ワールドに落ちたようなことが起き始めた。

 自宅は、千葉県にあるのだが、それが建ててから約30年にもなろうとするボロ家で、狭い敷地にはカキやヒメシャラ、ドウダンツツジ、ユッカラン、それにアジサイ、カクレミノなどが、うっそうと茂っている。しかも、隣は夏草が繁茂する草原とイヌシデやエゴなどの雑木林である。そんな環境だからだろうか、毎年、今頃の蒸し暑いじめじめした夜には、明かりに集まる小昆虫を狙って居間のガラス窓にヤモリが現れる。時には、卵をお腹に抱えた大きな雌だったり、粘土細工のような子供のヤモリだったりする。北関東で育った僕と家内はヤモリが珍しかったし、その姿が可愛いので、いつの間にかヤモリの出現を歓迎するようになった。それに「家守」だから大切にしているといってもいい。なかなか姿を見せない年などは、近所の猫に襲われたのだろうかとか、何かこの家が嫌いになることがあったのだろうかと気をもんでだりした。
 ところが、今年は少し様子が違う。例年のようにヤモリも目撃したが、それだけではなさそうだ。先週の木曜日の夜、一人で留守番しながら、梨木香歩の小説を読んでいたら、居間の天井の隅で、ガサゴソとしきりに音がするのだ。ヤモリは音を立てるはずが無い。ネズミでも住み着いたかと思って、音のするあたりを叩いたらぴたりと止んだ。ところが、翌日の金曜日には、音はさらに大きくなり、天井裏を傍若無人に走り回るまでになった。家内は、何か大きくて重いものを引きずる音まで聞こえたから、絶対に、ネズミでは無いと言い張る。いったい、何が住み着いたのだろうか?(これだから、古い家は楽しい)

アキニレにクワガタが!


 昨日、友人のTさん家族が小屋に来た。数年前に来たときは幼かった息子さんが、もう小学3年生だという。子供と樹木の成長には、本当に驚くばかりだ。その息子さんが、クワガタを捕まえたいそうだ。困った!確かに、小屋の周りにはクワガタが好む雑木がたくさんあるから生息しているだろうけれど、どこに行ったら見つかるものか見当がつかない。でも、せっかく東京から来るので、失望はさせたくない。家族が到着する前に目星をつけておこうかと、まずは、最初に小屋の入口の前にあるアキニレの木を探した。そう、これは以前にオオスズメバチが止まっていた木だ。・・・・ すると、何と! 予想は一発で的中した。ノコギリクワガタのオスとメスが、夢中になって樹液を吸っているではないか。まずまずの大きさだ。これで一昨夜来、悩んでいた課題があっさりと解決したのでほっとした。あまりに、あっけなくて、自分でも驚いている。
 虫たちは、このアキニレの食堂がよほど気に入っているらしく、その後も、ここで2度もクワガタを捕まえた。4度目は取り逃がした。捕っても捕っても、すぐどこからかすぐ飛んでくるようだ。
 今朝になって、写真を写しに行ったら、また、新しい2匹が食事中だった。