2010年2月27日

夜の小鳥

 夕べの午後9時過ぎのこと。外は、夕方からの雨が激しく降り続いている。枯れた笹の葉に強い風が吹き付けると、暗闇がざわざわと音を立てる。そんな様子を窺おうと、小屋のドアを開けたら、一羽のジョウビタキの雄が、すぐ目の前の軒先で必死に羽ばたいていた。弱っているのかと思って、手を差し伸べたら、手のひらに止るではないか。部屋に入れて、何か餌になるものを与えようと思ったとたん、雨の降る闇の空に飛び立っていった。
 このことは、僕をひどく不安にさせた。いま、身内の誰かが死に掛けており、小鳥に形を変えて僕に会いにきたのではないかという思いがよぎったからである。ずっと昔、僕が子どもだった頃、じいさんの臨終のときも小鳥が病室に迷い込んだし、僕を可愛がってくれた近所のおばあさんが病気で寝ていた部屋にハトが入り込んだからといって、自ら捕まえて持ってきてくれた。ところが、その晩に、そのおばあさんは亡くなった。こんなことがあったからだろう。「死者は小鳥になって、会いたい人のところに飛んで行く」ものと、すっかり心の深いところで信じてしまったようだ。
 その後、思い当たるところに、それとなく様子を聞いたり急いでメールをチェックしたが、該当しそうな者はいないと判って一応落ち着いた。
 今夜も、この時間になったら思い出してしまった。

2010年2月26日

春一番が吹く

 昨日と今日、今年初めての春一番が吹いた。NさんとIさんがランチを用意して来てくれたので、久しぶりにデッキで食事をした。暖かな春の陽気のもと、気が置けない人たちと楽しく会話しながら、美味しい食事をするのは人生の大きな喜びである。いよいよ春が来て、野外で食事が出来るよう様になったこと、そして、ハンモックに寝転んで昼寝が出来るようになったことが嬉しくてたまらない。

 木々は、この春一番の風を合図に、一斉に芽吹きや開花のスタートをきる。

2010年2月24日

木から降りられないピー

 夕べは、ピーに留守番させて、流山の自宅に帰った。午後5時過ぎに小屋に戻った。いつもなら、車の音を聞きつけて、どこからか走って来て出迎えてくれるのに、今日に限って姿が無い。不安になって、大声で呼びながらあたりを探し歩いて小屋に戻ろうとしたら、微かな鳴き声が入口近くのヒノキの大木の上から聞こえるではないか。笑ってしまった。ピーのやつ、ヒノキに登ったのはいいが、降りられなくなってしまっている。8メートルほどの高さの横枝のところで、うずくまって弱弱しく鳴いている。いかにも困ったという様子で、ぼくの姿を見つけて、早く降ろしてくれと懇願しているようだ。僕は、そんな高いところまで登れない。困ったのは、こちらの方だ。ピーには何としても自力で降りてきてもらわなくては困る。そこで、ピーに勇気を出してもらうために一計を案じた。「ごはん」を思い出させるのだ。留守番をしていたから、相当お腹が空いているはずだ。そこで、「ピー、ごはんだよ!おいしいごはんだよ!」と叫んだら、思惑通り、ピーのやつ「ごはん」に釣られて、はじめは恐る恐る、そのあとズルズルと木からすべり降りて来た。作戦は大成功で、なんとか再会を果たす事ができた。それにしても、いつから木の上にいたのだろうか?お腹がペッチャンコだったから、そうとう前からに違いない。僕が、戻って来なかったらどうしたのだろうか?ピーには悪いが、お腹が空き過ぎて力尽き木から落ちるところを想像したら、可笑しくてたまらなくなった。

2010年2月22日

時間を買う

 やはり確実に春が近づいているようだ。テーブルの上のヤブソテツに、小さな毛むくじゃらの塊が出来たと思ったら、みるみる間に大きくなった。どうやら、この塊は葉芽で、これから新しい葉が展開するのだろう。シダ類の新芽は、どこか動物的なところがあって、力強い生命を感じさせるから好きだ。

 この季節になると、「持病」が発症する。それは、無性に庭に樹木を植えたくなるという「病」だ。今日も、朝から千代田花木センターに行って、ヒメシャラの株立ちとイチジクの苗木を買ってきた。ヒメシャラは、かなり大きなもので、やっとのことで車に押し込んで帰ってきた。イチジクは、4,5年前に植えたのが、鉄砲虫にやられて元気が無くなってしまったので、その後継者として育てるのつもりだ。また、先週は、ヒトツバタゴとトキワマンサク、それに防風用のシラカシ3本にモミザを植えた。自分でも焦らなくともと思うのだが、これらの木々が大きく育って「出来上がる」のを一刻も早く見たくてたまらないのである。自分に残された時間を意識するようになると、少しでも大きく育った木を買うということは、時間をお金で買ったような気持ちになって、何か不可能なことを実現できたような感じになれるのだ。

2010年2月19日

ピーのイタズラ


朝、出かけようと思ったら、財布が見つからない。焦って探したが、どうしても見つからない。もう、出なくては約束の時間に遅れてしまう。結局、一銭も持たずに出発した。用事が済んだので、急いで小屋に戻って徹底的に探した。・・・ アッタ!見つかった! ベットの下に落ちていた。どう考えても、こんな所にころがり込むはずが無い。きっと、ピーの仕業だ!留守番させられるのがいやなので、僕が出かけられないように隠したのに違いない。この写真は赤ちゃんのときのものだが、もうこの頃からイタズラ猫らしい顔をしているではないか。

2010年2月18日

今朝も雪景色



 どうなっているのだろうか?今朝も目覚めたら、昨日に続いて窓の外は一面の雪景色。それもこの冬一番の大雪だ。ニュースで関東地方はこれで9度目だと言っている。これでは、やっとほころびかけたサンシュウやトサミズキの蕾も躊躇してしまうではないか。ピーは、相変わらず雪の中に出かけて、お腹に雪の固まりを付けてきては、濡れた毛の手入れに忙しい。昨日から、小屋に泊まっていたK君は、雪の積もった道をおそるおそる帰っていった。

2010年2月14日

長椅子で読書

 今日、また山小屋に戻った。今度、持ち帰った本は、池上永一の『バガージマヌ パナス -わが島のはなし』と三浦しをんの『まほろ駅前 多田便利軒』である。いずれも文庫本で、まずブックカバーが気に入ったから読む気になった。そう、最近は、まずカバーのデザインから本を選ぶようにしているのだ。これが、またよく当たる。下手な書評などより、よっぽど中身を表していることがある(この前の小川某の何とか食堂は、ハズレだったが)。今回の池上の本は、大当たりだった。まだ雪の残っている小屋の夜、長椅子に座って、膝の上のピーを起さないように気を使いながら、「はるか南の島の抜けるような空に映える極彩色の舞台、豊かな伝承と島の民俗、何もしないでダラダラと生きる自由奔放な美少女、その親友の妖怪のような老婆姉妹が繰り広げる」ファンタジーを読んでいる。まったく至福のひと時である。あすの晩は、「多田便利軒」だ。
 ピーのやつ、最近、身体が大きくなったので、ぼくの膝の上に横になると頭と後ろ足がはみ出て、左右に垂れ下がる。眠っているときなど、時々、膝からズリ落ちそうになる。すると、あわてて目を覚まして体勢を整え直して、また眠る。その様子が面白くて、つい笑ってしまう。

2010年2月11日

スノードロップが咲いていた


 いつ植えたのだろうか?まったく覚えていない。庭の枯れ草の中で、スノードロップがポツンと一つだけ咲いているのを見つけた。何年か前の一時期、スイセンの仲間の球根を庭のあちこちに埋めたことがある。そのときのものだろうか。それから、小屋を建て直したりしてすっかり庭の様子が変わってしまったから、今となっては、どこに何を植えたかまったく判らなくなってしまったのだ。でも、こうして、思いがけないところで、思いがけない花を見つける楽しみができた。
 今日の八郷は夕方から雨になった。今夜は雪になるかもしれない。こんな天気の日、猫は眠いのだろうか。ピーはストーブの前で、ずーっと眠ってばかり。

2010年2月9日

屋敷林をつくりたい

 今日は、流山から戻る途中、守谷のジョイ本に寄って、ニッケイ、椿、そして梅の三本とジャガイモの種芋を買って来た。一昨日は、近くで季節が過ぎて特価となったサザンカを買って来て植えた。このところ、また樹木が植えたくなってのだ。それも常緑樹である。これまで、コナラ、クヌギ、エゴノキ、サクラなどの落葉樹を中心に植えてきたので、庭は雑木林のような趣きになって来たのだが、やはり今頃の季節になると葉を落とした樹木ばかりで、どことなく寒々しい。
 昨日見たBSで、砺波平野の屋敷林が紹介されていたが、厳しい自然環境から住居を守り、その中で営まれる自給自足に近い生活を優しく包み込んでる屋敷林の美しさや豊かさに深く感動した。このような穏やかな日常を温かく包み込んで、じっと見守る庭につよく憧れる。このテレビの屋敷林や白井隆の著書『庭の旅』にあるような屋敷林になるのには、とてつもない時間と人の営為の積み重ねがあったのに違いない。でも、植えなければ林は育たない。さっそく、その一歩を踏み出したくなった。屋敷林の主な樹種は、スギ、ヒノキ、ケヤキ、カシ、ツバキなどの常緑樹と栗、柿、梅、山椒などの果樹である。まずは、北西側の冷たい風が吹き込むところへスギとヒノキとシラカシとツバキを植えよう。庭にも、寒さを嫌う植物には常緑樹で風避けしてやろう。あれこれと構想が浮かぶ・・・。そんな訳で、目下、せっせと針葉樹や常緑樹、それと果樹を植えている。
はやく大きく育て!どんなに大木になってもいい。そして、小屋を包み込め!

2010年2月8日

ピーは男の子だった

 ピーには参った!今日、前から行かなくてはと思っていた混合ワクチンの投与をしてきた。若いスタッフのたくさんいる大きなペット病院である。カルテを作るために名前、住所、生年月日、性別、種類、持病その他いろいろ書かされた。もちろんピーの名前は、「ピカリャー」で、性別は「女の子」である。順番が来て、先生に詳しく健康状態をチェックされた。診断結果は、どこも悪いところが無く、体重は何と3kg以上もあった。先生から、「長毛種の可愛い猫ですね」なんて言われたものだから、ピーのやつ(僕も)猫をかぶって大人しくしており、先生と看護婦のされるがままになっていた。予防注射をしても、反抗せず一言も鳴かない。その後、避妊手術について、時期は今月末か来月初めで費用は2万4千円で入院する必要があるなどの説明を受けた。
 その時である。話ながら、ピーのお腹を見ていた先生が、突然、「あっ!この子は男の子ですよ!ほら、オチンチンがあるでしょう」という。確かに、長いふさふさの毛の中に小さな突起と玉々があるではないか!これまで、K君から言われたまま、確かめもせずに、すっかり女の子だと思い込んでいたのだ。これまで、「箱入り娘」として大切に育て、交友関係を心配してきたのはいったい何だったのだろうか。こちらが勝手に思い込んでいたのだから、「オカマ」といって攻めるのはかわいそうだが、ショックである。
 男の子でもいい、可愛さは同じだ。でも、これからは教育方針を変更して、たくましい山猫として育てよう。少しぐらい夜遊びしても許してやろう。山小屋周辺のボスとして君臨させるのだ。そして、ピーに良く似たハンサムな子猫をたくさん増やすのだ。

2010年2月7日

旧家の裏庭

 散歩の途中で、美大生による竹を素材としたイベントを見て、会場近くの農家の庭先で行われた篠笛の演奏を聴いた。その後、撮影に来られた方と一緒にKさんのお宅を訪問した。イベント会場のすぐ近くなのだ。このお宅はたいへんな旧家で、日本の美しい茅葺民家としてたびたび写真集で紹介されている。当主のKさんも、有名な林業家で、その持ち山は今時では珍しく手入れが行き届いており、素人のぼくが見てもすぐわかるほどだ。Kさん宅を訪れたのは、離れの前にある白梅の古木が咲いているかもしれないと期待したからである。期待した通り、咲き始めたばかりの梅と茅葺屋根に穏やかな冬の日差しが注いでいて、心から落ち着ける美しい庭園となっていた。
 Kさんは、最近、大怪我をして退院したばかりだという。しかし、話題が樹木や植物になると、目が輝いて、少しもそんなことを感じさせない。この人は心底から森林が好きなのだと感じた。話題が、アリドオシに及んだとき、屋敷内にも生えていると裏庭に案内された。ぼくのアリドオシは、枯れて無くなってしまったことを先日のブログで書いたが、お金と同じで有るところには有るものである。氏神さまの周りにアリドオシとセンリョウ、マンリョウ、そしてヒャクリョウ(カラタチバナ)の群落が広がっているのには驚いた。これほどの群落を見るのは始めてである。後ろの常緑樹のモチの木などが寒い北風から保護しているからだろうか。この他にも、この屋敷内には、かつて筑波山周辺に生育していたが、今では姿を消した植物がひっそりと生育している。まさに、生きた博物館みたいなお宅である。Kさんも、Kさんのご家族も、お屋敷や植物たちも、これからもずうっといつまでもお元気でありますように。

2010年2月6日

野鳥メモ

 記録としてメモしておきます。昨日の午前10時ごろでしたが、あの寒い天気の中でシジュウカラの囀りを聞きました。今年初めてです。日差しがだいぶ強くなってきましたから、彼らは一足先に春を感じているのでしょう。庭のナツツバキの枝には、ルリビタキの♀が止っていました。小さな黒い目がとても可愛いです。先日の2日火曜日の雪の降った朝のことです。壁に衝突して脳震盪を起こしたのと同じ個体かどうかわかりませんが、ミヤマホオジロのつがいが、しばらくのあいだ小屋の周囲の木々を渡りながら餌を探していました。おかげで雄と雌の色の違いをしっかり観察できました。庭をテリトリーとしているジョウビタキの♂は、相変わらずコナラの枝に止って舌打ちしています。この頃、そろそろ寝ようとする午後10時近くになると、フクロウの鳴き声が聞こえます。でも、残念ながら西の森でなく、遠く離れたフラワーパークの方向からです。(気付いたら文章が「ですます」調になっていた。面倒だからこのままでいいや)

2010年2月4日

やかんの音

 今日は立春だというのに、この冬一番の冷え込みだという。夕方、事務所から原付バイクで小屋に戻ったが、道路のあちこちが凍っていたので緊張の連続だった。昨夜、降った雪が、日陰のところは溶けないで残っている。寒い!冷たい!ハンドルを握る手が固まってしる。ガタガタと震えが止まらない。ようやく山小屋に着いた。さっそく、暗闇の中で焚きつけのスギの落葉と小枝を集めて、物置の軒下からは今夜分の薪を運んだ。急いでストーブに火を付けた。ピーのやつ、お腹が空いたとしきりにねだる。
 しばらくすると、ストーブが赤々と燃え出した。火は太い薪にも燃え移った。暖かさが部屋に広がってきた。次第に、サーモメーターの針が上がっていく。もう大丈夫だ。ホッとした空気が部屋に満ちる。さて、ピーにご飯でも作ってやるとするか。今夜は、留守にしたお詫びに高級な缶詰をお土産に買ってきたのだ。
 ストーブの上に乗せたやかんが沸騰したようだ。先ほどからチンチン、チッチッと鳴っている。何とこの音は、心から休まる音だろう!深い安心と満足の気持ちが心を満たす。この音は、はるか遠い昔にも聞いたような気がする。そうだ!子どもの頃、田舎の火鉢の鉄瓶が同じ音を出していた。あるいは、もっと、もっと昔、ぼくの生まれるず~っと以前、暗い森の中で今日捕まえた獲物を前にして、焚き火をしながら聞いていたような気がする。
 ピーのやつ、いつの間にか食事が済んだらしく、ストーブの前で丸くなって寝ている。

2010年2月3日

最近のピー


 近頃のピーが、どんな風に大きくなったかを報告します。今日も、美大の学生から「メインクーンですか」と聞かれた。まだ生後半年もたたないのに、体重は2kgをとっくに超えて、毛並みも幼い頃のグレーのふわふわした毛から、しっかりした大人の硬い毛に生え変わった。黒の縞模様もはっきりしてきた。特徴の胸と長い尻尾のふさふさした被毛と大きな耳、精悍な顔立ちは変わらない。出自がU字溝出身のノラだからありえないけど、本物のメインクーンのように巨大ネコになったら嬉しい。ぜひ、そうなって欲しい。
 それにしても、気にかかるのは、先日喧嘩したお隣の雄ネコだ。春の発情期に入ったらしい。夕方になると、あの独特な赤ん坊のような声で鳴きながら、小屋の周辺を徘徊している。ピーは女の子である。まだ、子どもだから大丈夫だと思っているが万が一のことがあったらと、まったく年頃の娘を持つ父親の気持ちになっている。

新しい家が建つようだ

 谷を挟んだ向かいの山腹から、杭を打つ音が聞こえる。Dさんの西隣だ。いよいよ、新しい家が建つらしい。近所のおばあちゃんから聞くところによると、都会から若いご夫婦が越してくるという。先週は、井戸を掘っていたようだし、今日は測量して杭打ちをしている。はたして、どんな人が来るのだろうか。どんな家がたつのだろうか。いつの間にか、ぼくも、いっぱしの村の住民になったようで、興味深々である。以前、Dさんに、「良い人だったらいいですね」と言ったら、「こんなところに来る人は、みな良い人ばかりですよ」と返ってきた。そうかもしれないと納得した。

 一昨日の雪は、ほとんど解けた。明日は、つくばまでバイクでいけそうだ。

山里のイベント


 近所をピーと散歩していたら、2台の大型バスから100人もの若い人たちがぞろぞろと降りてきた。観光地でもないこんな山里にしては、きわめて珍しい。何事かと聞いたら、美大の学生たちで近くの台地状になっている高台で卒業制作のイベントをやるという。この高台は、集落のほぼ中央にあって、山城の遺跡のような形をしている。その上に立つと、筑波山や周囲の山並みを背景にして茅葺の民家や集落が展望できて、ぼくの大好きな秘密の場所だった。先月、突然、そこに竹で編んだ大きなドームのようなものが立てられているのを発見した。何が始まるのだろうかと思っていたのだが、これで解った。しばらくしてから、行ってみたら、学生たちは、大勢で竹と布を使ったオブジェを製作していた。出来上がったら、どんな光景が出現するのだろうか。田んぼの脇で作品を製作している若者に、どうか、この静かで美しい山里と調和するようなものを作って欲しいとお願いしてきたが、はたしてどうなることやら。

2010年2月2日

雪が降った



 朝起きたら、庭は一面の雪景色。積雪は数センチで思ったより少ない。朝日が差し込むと、枝に積もった雪が解けて無数の雫となって落ちる。あちこちから雨だれの音が聞こえる。枝の雫がキラキラと輝く。突然、カシワの木から雪の塊が音を立てて落ちた。ヒヨドリが一声鳴いて飛び去った。雪は、見慣れた風景を一変して、忽然と非日常の世界を出現させる。
 FMのローカルニュースによると、八郷周辺では、風返峠、湯袋峠、不動峠、道祖神峠の4本が交通止めになったらしい。東方面と朝日峠しか外界と通じていない。いま、八郷盆地がほんの少しだけ孤立状態だと思うと、何だかわくわくしてくる。雪が降ったのを、楽しんでいるのはぼくだけではない。子猫のピーも、初めて雪を見て興奮している。おそるおそる前足で、そっと触った。冷たさに驚いたのだろう、すぐに足を引っ込めて、空中でぶらぶら振っている。そして、こんどは反対の足を出した。これを何度も繰り返している。  (写真をクリックすると大きくなります)

2010年2月1日

夜のおやつ

 夕食をちゃんと食べたのに、またお腹が空いた。ピーの習性が感染したらしい。そこで、薪ストーブでジャガイモとサトイモを料理?することを思いついた。本当は、焼いた方が美味しくなるのだが、茹でるほうが手っ取り早い。鍋を天板に乗せてコトコトと30分。出来た。皿に盛って、ジャガイモはバターで、サトイモは塩とお醤油をつけて食べた。旨い!
 先ほど、小屋の外に出たら雨だった。何時のまにか雪も降ったらしい。庭がうっすらと白くなっている。明日の朝が楽しみだ。