2013年5月31日

ユスラウメ実る

今、庭に、三種類のルビーのように真っ赤な果実が実っている。ユスラウメとダイオウグミとウグイスカグラだ。いずれも、食べるのが惜しいくらい可愛くて綺麗だ。ユスラウメは、子どもの頃、友達の家にあって自分のところには無かったので、いつかこの木を育ててみたいと思っていた。その夢が、実現したのは半世紀たってからだった。当時から、味よりもその透明な赤色に魅かれていたのだろう。ユスラウメは、中国、朝鮮半島、モンゴル原産の樹木で、サクラを意味する漢字の『櫻』は、元々はこのユスラウメを指す字だそうだ。そして、その由来は、この実が実っている様子を、首飾りを付けた美しい女性に見立てたというから、ずっと長い間、僕が憧れていたのもうなずける。


2013年5月27日

もう、ホタルが、初夏の気配

まだ、朝夕はTシャツだと肌寒いというのに、もう、八郷にはホタルが飛び交っている。「もしかすると」と思って、小屋から100mほど先の小川に行ってみると、数匹のゲンジボタルが、水面の上をゆったりと飛び交っていた。八郷のゲンジボタルは出現が早い。これから、6月初めにかけて、日ごとに数が増えていくだろう。しばらくの間は、小川通いが僕の日課となる。今年こそは、真面目に写真を撮るつもりだから、今回の写真は一昨年のもので我慢して欲しい。

 辺りの田んぼからは、無数のカエルの鳴き声が、ひっきりなしに聞こえる。地面からは、シーというオケラの連続音。暗闇の中に匂うのは、スイカズラの甘い香。遠くの暗闇の中で真っ赤な光が点滅しているのは、田んぼのポンプが稼働していることを示す電灯だ。もう、八郷には初夏の気配が。

2013年5月24日

エンドウ豆の収穫

 2月10日のブログに「今年は、この畑を、無肥料、不耕起、無農薬の実験農場にするつもりだ。果たして、自然の生命循環だけで、どんな野菜がどれだけ収穫出来るか楽しみである。」と大きなことを書いて以来、野菜畑について少しも触れなかったから、「また、今年も挫折したのだろう」と思っている人がいるかもしれない。
 さにあらず、ちゃんとサヤエンドウやそら豆は、すくすく育ってたくさん実を付けた。今日も、晩ご飯のおかずにサヤエンドウをザルいっぱい収穫してきた。田中さんのレシピを参考に「鶏肉サラダ」にしようか?それとも「炊き込みご飯」にしようか? 豆の瑞々しい色が、食欲をそそる。


2013年5月22日

今日が最後の眺め


とうとう、山小屋の上の原野に家が建つ事になった。そのため、小屋の前の小道に砂利を入れる事になって、明日、邪魔な枝を切り払うそうだ。僕とピーが大好きな入口の木のトンネルも壊れてしまう。いつも、ここをくぐる度に、山小屋の生活に戻ったと実感したものだが、もうそれが無いとなると寂しい。やっと、咲いたエゴの花も今夜限りだ。小さな緑の実をたくさん付けたウワミズザクラの枝も、明日になれば切り払われて打ち捨てられる。悲しい。でも、どうしようもない。せめてもと思い、たくさん写真を写した。




2013年5月20日

祝 イタリアパン工房『Panezza』 始動!

 

角谷氏のイタリアパン工房『Panezza』が、いよいよというか、やっとというか、昨日、開業した。今日、そのパーティに出席してきた。八郷の旧い農家の蔵の中に作られた大きなパン窯から、次々と焼き上がったパンが取り出される。一つ一つがずっしりと重くて、大きいのだと一個が1.6kgもある。あきれるほどシンプルなパンで、原料は小麦と水と塩だけで、基本的には、古代ローマ時代と何ら変わらない。もちろん天然酵母で、機械はミキサーだけ、焙炉すらない。それだけに、小麦の香り、職人の腕がストレートに表れる。


 上等なワインを片手に、スライスしたパンに生ハムやチーズをのせ、思いきり頬張ると、香ばしい至福が口の中に広がり、幸せを噛み締めた心地がする。もう、ここはイタリアの小さな村の一角だ! (あっ! そういえば、角谷氏、イタリア人ぽい。)





※ 購入を希望される方は、下記まで電話かメールで。

○ 予約や問合せは、火から金曜の午後13時から18時の間。
○ 販売は、水曜日と金曜日の午後13時から18時の間(宅配も出来るそうです)。
○ 連絡先は、" Forno a legna  panezza "   窯主 角谷 聡
                     電話: 050-5855-2669
                     メール: panezza3104@ozzio.jp

2013年5月17日

やさとの椅子展に行って

 昨日、「こんこんギャラリー」で開催している「第11回 やさとの椅子展」に行って、椅子を貰ってきた。木製の白い椅子だ。いま、小屋の机の上で、誰かが座るのをじっと待っている。アンケートを書いた人はくじが引けて、それに当たったのだ。これまで長い間、貧乏くじばかり引いていた僕だけど、今回は大当たり! もちろん、高さ10cmのミニュチュアの椅子。でも、すごく嬉しい。眺めていると、次々といろいろな想像が湧いてくる。例えば、小さな人が座っていて、僕に何か大切なことを語りかけてくるとか。

 会場では、真面目に考えるための椅子、友達と楽しく語り合う椅子、昔を思い出すための椅子などなど、さまざまな椅子が、訪れる人を待っている。
会期は、26日(日)まで。



2013年5月16日

風来里馬小屋の建築現場にて


Fさんの建築現場を訪ねた。建物は、着々と完成に向かっていて、外壁のラスを貼っていた。これからその上に白漆喰を塗るという。もう少したてば、柿岡の交差点あたりから、加波山の中腹に、日の光を反射した真っ白な建物が見えるようになるだろう。濃い緑の山肌、真っ白なログハウス、褐色の馬たち、オープンカフェ・・・また一つ、八郷に美しい風景が加わる。
 裏の馬小屋の奥に、今週の月曜日に生まれたばかりのヤギの子どもが、お母さんと一緒にいた。真っ白で小さい可愛いやつだった。

 それにしても、この土地の字名は、風来里(ふらり・ぶらり)というのだが、出来すぎている。もちろん、この土地は、ずっと昔からこう呼ばれていた。山地の出張って垂れ下がったところの意味らしいが、まるで、Fさんの乗馬Cafeが出来るのを見越していたかのようだ。




2013年5月15日

ヒトツバタゴ


 「忙しい! 忙しい!」なんて言っていたら、5月も半ばになってしまった。気が付いたら、庭のハクウンボクは、盛りを過ぎたし、入口のヒトツバタゴが、初めて花を咲かせていた。この木の別名は、「ナンジャモンジャ」。対馬では、海岸に沿ってこの木が生育していて、花の季節には、静かな海面を白く照らすほどだと言う。だから、方言で「ウミテラシ」。
 それにしても、今年は、山小屋に初めて咲く花が多い。何かあるのかなかな? ハンカチノキだけは、もう少し先にして欲しい。その訳は・・・。