2013年10月31日

秋の夜長の楽しみ:ゲジの訪問

小屋は林の中にあるようなものだから、いろいろな虫や小動物が訪れる。それを捕まえて、図鑑で調べるのが、僕の密かな楽しみになっている。秋の夜長など、枕元にやって来た虫たちをじっくり観察してその生活を知るのは喜びですらある。今夜の訪問者は、先日のナメクジと反対に足の多いもの。「ゲジ」である。あの「ゲジゲジまゆげ」の「ゲジゲジ」である。
 このゲジは、ムカデに近い仲間だが、人を刺したりとあまり悪い事をしない。長い足を多く持っているうえに、結構、すばしっこいから嫌われ者になっているが、家の中のゴキブリやハエなど害虫を捕獲して食べてくれるので益虫と言っていいくらいだ。そう知って、まじまじと眺めると、美しいくらい造形的な形をしていませんか? エッ! そんなことない?



2013年10月27日

こんこんのコーヒーブレイク展に行って


台風一過の気持ちよく晴れた空の下。「こんこんギャラリー」のゴーヒーブレイク展2日目である。顔見知りの人たちが、あちこちで忙しそうに働いている。今日だけは、いつもの創作活動とは違って、大人も子どももお祭り気分で楽しんでいる。美味しそうなメニューが、ずらりと並んでいて目移りがする。結局、僕はサーモンと小松菜のキッシュにリンゴのタルト、コーヒー、それに裏庭の石釜で焼いたきんぴらごぼうのピザを注文した。じつに美味しくて楽しい雰囲気である。出来たら、こういう催しを度々オープンして欲しいが・・・、(それは無理か)
 昼頃、ペトランのTさんがフランスパンをどっさり焼いて持ってきた。みるみる間に客の列が出来て、のんびりコーヒーを飲んでいる間に、お目当てのカンパーニュが売り切れてしまいそうで気がきでない。何とか1個ゲットできたので、帰ってから食べるのを楽しみに筑波山へ仕事に向かった。

2013年10月23日

屋根の上で

庭のカツラの葉も、だいぶ黄色くなって来た。ピーのやつ、朝ご飯を食べた後、姿が見えないと思っていたら、屋根の上で紅葉見物していた。でも、まだ時期がちょっと早い。もう少しすると真っ黄色になり、辺りに落葉が甘い香りを漂わせるようになる。


2013年10月18日

おばあちゃんの注連縄づくり

 一昨日、里山建築研のスタッフと一緒に、近所のおばあちゃんから注連縄づくりの話を聞いた。おばあちゃんは、物置の軒先で稲藁を一本一本選んで束にして、それを茅葺き屋根の土間に座って手編みする。編まれた注連縄は東京浅草の浅草寺(観音さま)にかけられると言う。注連縄用の稲は、お米を収穫する普通の稲とは品種が違う。すらりと長身で色も浅葱色、良い香りがする。スタッフの一人がそっと撫ぜながら「乙女のストレートヘアーみたい」と言っていた。おばあちゃんに縄を編むところを見せてもらった。おばあちゃんの手からは、みるみる間に、美しくて清々しい注連縄が生まれてくる。
 お正月に、浅草寺に初詣に行かれたら、そのお堂をめぐっている注連縄が、八郷の茅葺き民家の広い土間で、おばあちゃんのしわくちゃな手で編まれたものである事を思い出して欲しい。


2013年10月16日

台風で倒木


台風も去ったので、午後から里山建築研の人たちと八郷を回った。途中、昨夜の台風で多数のヒノキが倒れている林に出くわした。何十本のヒノキが根こそぎ倒れて、無惨な姿を晒していた。高台の斜面だから、風当たりが特に強かったのだろう。それにしても、見ると根が平たく広がっているだけで、深さは30センチぐらいしか無い。無理な地形のところに、根張りの浅い針葉樹を密植して、その後の手入れを怠った結果だろう。
 こんなことは、今、日本中の森で起きているのに違いない。

2013年10月15日

庭先に謎の物体が落ちていた

  外出から帰ったら、庭先に変なものが落ちていた。薄いパラシュートに破裂したゴム膜、それらと紐で結ばれた白いプラスチックの箱である。箱にはアンテナのようなものが付いている。どうやら、誰かの落とし物やゴミではなくて、空から降りて来たもののようである。恐る恐る拾ってみたら、「気象観測器」とか、「防衛省陸上自衛隊」とか書かれたラベルが貼ってある。中身を見たら、確かに気圧を計る円盤のようなものと、電波発信の電子基盤や注水電池が入っている。まだ、電池は温かい。たった今、落ちて来たばかりのようだ。「危険物ではありません。既に測定は終わったので拾った人は捨ててください」とも書いてある。子どもの頃、気象観測のラジオゾンデが揚げられているのを知って、いつか、その落下したのを拾いたいと思っていたが、まさか、この年になって夢がかなうとは思ってもみなかった。それにしても、恐ろしい秘密兵器や高放射能のUFOからの落下物ではなくてよかった(笑)。

2013年10月7日

ブルーの木の実

 

 小屋の入口の両脇に、サワフタギの株がある。毎年、春に繊細な白い花を咲かせ、初夏には、ホタル蛾の幼虫が鮮やかな色を楽しませてくれる。また、今頃の季節に、青い小さな実をたくさん付ける。その実の色から、ルリミノウシコロシの別名がある。野山では、鮮やかなブルーの果実が少ないためか、とても良く目立つ。そういえば、今頃、クサギも鮮やかなブルーの実を付けているはずだ。
気持ちの良い季節でもあるし、瑠璃色の実を探しながら散歩でもいかがでしょうか?


2013年10月5日

『こんこんギャラリー』にて

  今日、3日から「こんこんギャラリー」で開催されている企画展『つむぎのしごと wata-oni works』をのぞいた。Oさんから、実際に真綿から糸を紡ぐ様子や、それを地機で織る様子を実演していただきながら、詳しい説明を聞いた。糸を紡ぐ作業から織物にするまでの工程は、繊細かつ根気のいる手仕事の連続である。また、織り機が先人たちの努力と工夫の塊であることも知った。これでは、紬の着物が高価なのももっともだ。説明の中で、糸を紡ぐとき、指先を水などよりも唾液で濡らすのが、糸に張りが出て良いのだと聞いて、あの着物の一本一本の糸は、女性の唾と指先に触れて生まれたのかと思うと感慨深かった。ところで、年齢や容姿による違いはあるのかについては聞き忘れたが(笑)。


帰ろうすると、Oさんのご主人のN氏が、裏手に面白いものが見つかったという。この辺は、南斜面の高台で古代人の遺跡がいくつも発見されている。案内されて行くと、竹薮にぽっかり入口らしいものが開いていた。そばに「謎の住居跡入口」との看板が立っている。中に入ると、狩猟した動物の貯蔵庫らしい部屋や寝室、来客用の部屋まである。何と!一番奥には、天国か地獄か知らないが、何処かへ続く階段まである。さすがに、この先進んだら、もうこの世に戻って来られない予感がしたので、僕は行かなかったが、「こんこんギャラリー」に寄られた際には、是非、訪れてみることを勧める。もっとも、昔、ここに街道(山道)が通っていた頃、ここには塚があって悪戯キツネがたくさん住んでいたので「狐塚」と呼ばれ、通行人を化かしては喜んでいたことを含み置きください。