2014年1月12日

囲炉裏から筑波山を

 山小屋の近くで、美大の学生が卒業制作の小屋を建てているというので見に行った。昨年の夏、その話を聞いたとき、「八郷の風景を壊すようなものは作るなよ!」と言っておいたので、どんなものか気になったのだ。丁度、現場に地主のおばあちゃんがいたので、一緒に見ることにした。この場所は、集落を一望出来る高台で、遠景には両脇に里山を抱えた筑波山を、また近景には屋敷林に囲まれた茅葺き民家とその周りの棚田が望める。ここは八郷を代表する眺めの美しい場所で、よくパンフレットなどに登場する。

学生の小屋は、地面に半地下の床を掘り、両側を分厚い土壁にして屋根を乗せていた。まだ、建設途中であるが、土床の真ん中には囲炉裏が切ってあった。建物は、南北に大きな開口部があり、北側からは筑波山が正面に見える。おそらく、半地下の暖かな部屋で囲炉裏を囲み、熱燗でもチビリチビリやりながら筑波山の秀麗な姿をめでようという魂胆だろうが、おばあちゃんと「雨が降ったら部屋に水が溜まるよね。みんな溺れるなぁ〜」と話した。どうするのだろうか?建築の学生たちのことだから、ちゃんと排水と換気は考えているだろうと思うが・・・。

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