2014年7月15日

ヤマユリの道


 今頃の時期、小屋の下の道は「ユリ街道」になる。道を歩くと甘い濃厚なヤマユリの香りに包まれる。特に、風の無い夜など散歩すると、なおさら強く感じられる。この杉林の中には、苔むした古いお墓がある。小屋を建てた頃、墓石のあたりで闇の中に白いものがぼんやりと浮かんでいるのを見てドキッとしたことがあった。その正体は大株のヤマユリの花だった。また、少し前になるが、やはり夜の散歩をしていたときのこと、この道の向こうからLEDの懐中電灯を持った人がやって来た。近づいたら挨拶しようと思ったら、突然、青白い光はスウ〜ッと空中に舞い上がり、やはりお墓の方に消えていった。この時も驚いたが、すぐにゲンジボタルだと気がついた。暗闇の中に一匹だけ光るゲンジボタルは、思いのほか大きく見えるのである。
 話をユリに戻すと、ヤマユリは、日本固有の植物で、その豪華さは世界に誇れる花である。万葉集にも歌われていることから、昔は筑波山塊にはたくさん生えていたようだ。現在のように少なくなった主な理由はイノシシの食害によるものと思われる。お願いだから、イノシシのマネをして、少なくなった野生のヤマユリを盗掘するのは止めて欲しい。



0 件のコメント: