2014年1月26日

菅生沼の野焼き

1月度の「筑波山ファンクラブ」は、例年の通り、茨城県自然博物館が行う菅生沼野焼きの手伝いである。3年前に、近くの杉林を類焼しまってからというもの、これまで火を付けることは無かったが、今年は、新たな方法を採用して野焼きを実施した。野焼きする部分を区分けして、さらに、あらかじめアシやオギを膝上程度に刈り取り、順に火を入れるというもので、火の粉もあまり飛ばず綺麗に焼けて、結果は大成功だった。
 これは、タチスミレ、ハナムグラ、トネハナヤスリなどの絶滅危惧植物の生育環境を守り、野焼きによって湿性の植物にどんな影響があるのかを調査するのが目的で、2003年から、近くの里山保全団体や大学・研究機関、地元の人々の協力のもとで行われている。年々、協力者が増えているのが嬉しい。


石を叩いて来た

 最近、「石」に憑かれている。昨日も、「ジオネットつくば」が主催する筑波山地質巡検に参加してきた。友人から「浮気者」と言われようが、何でも自分の興味が向くものに気ままに首を突っ込められるのが素人の特権だ。現場で、直接、専門家から筑波山の岩石や成因ついて聞く体験は、ワクワクするほど面白かった。この「面白さ」は、顕微鏡下の1ミリにも満たない鉱物の世界から、何千万年の時間軸のなかでのダイナミックな造山活動を推理してイメージすることにあるのかな、なんて思ったりした。そんな理屈を抜きにしても、無心になってひたすらハンマーで石を叩き、やっと割れた表面に、美しい結晶の粒や不思議な模様を認めたときの喜びは、もうそれだけで人をこの世界に引き込む魅力がある。


2014年1月20日

霜の花


 朝出かけようとしら、車のフロントガラスに霜の花がびっしり咲いていた。僕とピーが眠っている間に舞い降りた聖なるものの痕跡。天使たちの翼から落ちた羽根のカケラ。拭き取るのが惜しくて、そのままで湯袋峠を越えた。


2014年1月16日

この場を借りてジオパーク関連のPR

 いま、筑波山地域は、来年度のジオパーク認定申請に向けて、周辺の自治体を中心に、さまざまな取り組みが行われています。私の山小屋のある石岡市でも、右記の講演会が予定されています。講師の池田先生の話や現地見学は、とても解りやすくて、一度聞いたら景色の見方が一変して、一層、地元への愛着が湧いてくること請け合いです。是非、この機会にご参加下さい。申込先は、写真をクリックしてご覧下さい。

 また、 2月20日(木)には、石岡市のジオツアーが予定されています。これは、実際に八郷から高浜まで移動しながら、池田先生から八郷や石岡の地形・地質などについて、現地で解説していただくというもので、こちらも参加を逃したら一生後悔することになるでしょう(笑)。

 なお、私は「筑波山地域ジオパーク推進協議会」の回し者です(笑)。

2014年1月14日

眺望が欲しい

 

 雑木林の中に埋もれて世間から隠れるようにひっそりと建っている小屋を理想として目指して来たが、このごろ眺めが良い、気持ちが晴ればれするようなお宅を訪問する機会が増えて来たら、少し気持ちがぐらついてきてしまった。まったく情けない。先日訪れたOさん、Fさん宅も、尾根筋の高台にあって素晴らしい眺望である。今日訪れたYさんのお宅などは、一階、二階ともに北面と東面がすべて透明ガラスの大きな窓で、部屋の何処からも八郷盆地の半分が眺められる。まるで、窓枠で切り取られた絵画のようだ。冬の低い太陽が、裾野の集落と加波山から難台山へかけての山肌を照らしている。落ちかけた陽に赤く染まっているのは杉や檜の森、一見暖かそうに灰褐色に煙っているのは落葉樹の林・・・。二階の展望台に立ったら、空中に浮遊しているよう。
 引っ越したいが、そうも簡単にいかないから、せめて、セッセと山に登って、高いところから八郷盆地を眺めることにしよう。

2014年1月12日

囲炉裏から筑波山を

 山小屋の近くで、美大の学生が卒業制作の小屋を建てているというので見に行った。昨年の夏、その話を聞いたとき、「八郷の風景を壊すようなものは作るなよ!」と言っておいたので、どんなものか気になったのだ。丁度、現場に地主のおばあちゃんがいたので、一緒に見ることにした。この場所は、集落を一望出来る高台で、遠景には両脇に里山を抱えた筑波山を、また近景には屋敷林に囲まれた茅葺き民家とその周りの棚田が望める。ここは八郷を代表する眺めの美しい場所で、よくパンフレットなどに登場する。

学生の小屋は、地面に半地下の床を掘り、両側を分厚い土壁にして屋根を乗せていた。まだ、建設途中であるが、土床の真ん中には囲炉裏が切ってあった。建物は、南北に大きな開口部があり、北側からは筑波山が正面に見える。おそらく、半地下の暖かな部屋で囲炉裏を囲み、熱燗でもチビリチビリやりながら筑波山の秀麗な姿をめでようという魂胆だろうが、おばあちゃんと「雨が降ったら部屋に水が溜まるよね。みんな溺れるなぁ〜」と話した。どうするのだろうか?建築の学生たちのことだから、ちゃんと排水と換気は考えているだろうと思うが・・・。

2014年1月9日

こんこんギャラリーの狐たち

 



 今日から、「こんこんギャラリー」で恒例の『こんこん・こんこん』展が始まった。この企画展は、ギャラリーの建っている地名の「狐塚」にちなんで、ギャラリーのメンバーなどが狐をモチーフにした作品を持ち寄っての展示である。それも、年々、質・量ともに充実して来て、陶器はもちろん、木工、彫金、篆刻、絵画、布小物から織物まである。更に、今年はTさんの素晴らしい狐の陶器人形群にYさんの狐の煉り切りとクッキーが加わった。この煉り切りは造形作家であるYさんの手作りで、いつも相手にしているのは粘土だが、今回に限っては求肥と餡である。クッキーは、この企画展にあわせて狐の金型を作って焼いたもの。

 これだけ狐にまつわる作品が一堂に集まると自ずから妖しい雰囲気が漂いだす。この中で、狐の和菓子をいただき、狐が化けたとしか思えない(美女)から抹茶をご馳走になりながら、各自がこれまでの人生で体験した不思議を順に語り合っていると、もう、『百物語』の世界。時間が過ぎるのも忘れて、我に返ったら5時間も滞在していた。

 八郷では、現在でも狐は健在である。是非、「こんこんギャラリー」の狐たちに会いに来て欲しい。会期は1月26日まで。
(なお、写真に写っている方々と狐との関係は一切ありません。念のため)


2014年1月2日

龍神さまに初詣


 今年もまた、近くの山中にある龍神さまに初詣に行った。静かだ。誰もいない。
 今年も、この地に住まわせていただけるようお願いしてきた。

2014年1月1日

元日の朝


明けましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。 

 午前5時13分、ピーに起こされた。このまま寝るのは惜しいので、雪入山に日の出を見に行くことにした。暗い山里の道、途中、何度も迷いながら、ようやくたどり着いた。突然、薄暗い駐車場で、いつもお世話になっている自然博物館の0先生から声を掛けられた。驚いた!誰も来ていないだろうと思っていた所で、旧知の先生と会ったのだから。更に、建物に入るとすでに多くの人が日の出を待っていた。元日に開館するのは、今年が初めてだという。良い香りがすると思ったら、臨時のカフェまで開いているではないか。使っている水は、近くに湧き出る金明水である。それも、今朝、汲んできたものだそうだ。朝一番でコーヒーを飲まなければ、一日が始まらない僕としては、これは本当に有り難い。デッキで、暖かいコーヒーを片手に日の出を待っていたら、午前6時50分、東の彼方、朝もやに沈んでいる集落のずうっとずっと先の地平線の一点が赤く輝いた。やがて、点はみるみる大きくなって、真っ赤な火の玉となって地上を照らした。
 元旦から、思いがけず、初めてのイベントに参加し、知人と出会い、美味いコーヒーを飲み、美しい日の出に感動することができた。嬉しい偶然の連鎖である。今年は何もかもがうまく回りそうな予感がする。早朝に起こしてくれたピーに感謝!