2014年6月19日

ピーのガールフレンド

近頃、たびたび庭で美しい白猫を見かける。どうやら、お隣の若いメス猫(たぶん)のようである。ピーに気があるらしく、近くまでやって来ては甘い声で鳴いている。ピーも、まんざらでは無いらしく、僕と話すときとは違った優しい鳴き声で答えている。それも、ぼくが邪魔をしない限り、二匹はいつまでも続けているのだ。何をささやき合っているのか理解出来ないが、だいたいの想像はつく。ピーに可愛いガールフレンドが出来たことが嬉しい反面、人間の勝手でオス猫の能力を奪ってしまったと思うと申し訳ない思いがする。
 彼女のプライバシーを考慮して、写真はボカしてあります(笑)。


2014年6月3日

テイカカズラが花盛り

昨年、上の土地に家が建つので庭の脇の林道が広げられた。それで奥まで陽が射し込むようになったせいか、コナラの大木に巻き付いたテイカカズラが、びっしりと花を咲かせた。この花は面白い形をしている(果実も面白い)。薄いクリーム色の5枚の花弁がねじれたプロペラのような形をていて、ちかづくとジャスミンのような甘い香りがする。深い緑色をした葉との対比が、なかなか美しい。そのせいか、昔から日本人に愛されてきたようで、古今集には「まさきのかずら」の名前で登場するし、「定家葛」の名前は、藤原定家の式子内親王への執心めいた恋物語に由来する。その物語はちょっと気持ちが悪いところがある話だから、ますます好きになる人と嫌いになる人がいるかもしれない。以前、僕は陶芸美術館で、この花をモチーフにした富本憲吉の作品にえらく感じ入ったことがある。彼は、創作に行き詰まって帰郷していた時、自宅の庭でこの花と出会って、新たなインスピレーションを得たそうだ。