2015年2月11日

カマドウマ

枕元にやってくる虫と遊ぶのを楽しみにしているのだが、この季節、虫の姿がめっきり減って寂しい思いをしていた。ところが、最近、小屋のどこかでカマドウマが大発生したようだ。昨夜も、顔の上に何か飛び乗ったものがあったので、あわててランプを付けたらこいつだった。昼間は、どこか物陰にかくれてじっとしているが、夜中になると出てきて、あちこち飛び回っている。人の顔の上だろうが、ピーの餌皿だろうが、流しの中だろうが御構い無しだ。よく見ると鼈甲色の粋な斑模様をしているし、立派な足で見事なジャンプをする。それに「竃馬」なんて、ちょっと気の利いた名前まで持っている。
 しかし、最近の家庭では、「ベンジョコオロギ」なんて呼ばれて、不快昆虫として忌嫌われる。べつに噛み付いたり刺したりしないおとなしい昆虫なのだが、ゴキブリ同様に、昼間は湿った薄暗いところに集団でいて夜になると出歩き、何でもガツガツ食べるのが悪いらしい。
 でも、考えてみると、長い歴史の間、隙間だらけの木と草と土でできた家に住んでいた日本人にとっては、こうした昆虫が、いつでも身の回りにいるのが当たり前で、昆虫や小動物と一緒に生活している方が自然だったのだろう。僕などは、子どもの頃、田舎の茅葺き屋根の家で、こうした虫たちと遊びながら育ったせいか郷愁みたいな感じすらする。決して叩き潰したり毒殺する気になれない。


1 件のコメント:

さんのコメント...

私、見たら即叩き殺してしまいます。うろうろされたって平気だけれど、糞がうず高く積って、拭いても色が落ちないのは勘弁してほしい。カマドウマは八郷に来て初めて出逢いましたが、大嫌いです(笑)。