2016年2月21日

貧乏ライカ病の再発


一昨日、L39-m4/3アダプターリングなるものを、600円で入手したので、早速、昔集めた「怪しい」ライカのレンズを、最新のオリンパスのミラーレス一眼デジタルカメラに装着して撮影してみた。それが大成功で、シットリとした色合いとボケや光のクラデーションが実に美しい。その場の空気まで写し込んでいるようである(気のせいか?)。もっとも、「怪しい」レンズと言っても、これらのレンズは、第二次世界大戦後に当時の東ドイツにあったカールツァイス・イエナ工場の技術者と生産ラインを丸ごと旧ソ連に持ち去さり、有名なゾナーレンズにジュピーターという名前をつけて生産したものだから、見かけはショボいが光学的に優れているのは当然である。一緒に写っているカメラは、バルナック型ライカというもので、これは私と同年代で60歳をはるかに超える。それにしても、このデザイン、質感、重量、なんと美しいことか!惚れ惚れする。今でも、フィルムを入れればちゃんと写る。二度と日の目を見ることは無いと思っていたこれらのレンズたちが、再び活躍する時代が来るとは想像もできなかった。嬉しくてたまらない。
(上のピーが歩いている写真は、この怪しいレンズで撮影したものです。前の方のピントが合っていませんが、何しろマニュアルなもんで・・・)


2016年2月16日

村の街灯が灯る頃


 山小屋は、八郷盆地の中の更に小さな盆地、というより周囲を小高い山に囲まれた凹地にある。山裾を巡る道を歩いて一周すると約40分かかる。道の所々にある街灯に電灯が灯る頃になると、村のあちこちから人が出てきて、小さな盆地の周囲を右回り、あるいは左回りで散歩する。犬を連れたおばあちゃん、年配のご夫婦、若いカップル、全身を防寒着で身を包んだ男性、携帯電話を片手にした若い男性・・・。どこかの中年ご夫婦は、この春巣だつ子供のことだろうか、熱心に話し合いながら歩いている。若いカップルは、最近、近くに家を建てて越してきた人たちだろう。楽しそうだ。若い学生は、スマホに夢中だ。
 話す相手のいない僕は、もっぱら暮れかかった山里や澄んだ空に描かれた山並みのシルエットを眺めながら歩いている。ときどき、顔見知りの村人と会うと天候の事や最近の出来事などの短い挨拶を交わして通り過ぎる。ふっと、夕暮れの空気に良い香りが混じっていると思ったら、道脇の梅の花がだいぶ咲いていた。