2017年2月22日

「仙郷」の倶利伽羅不動尊




 集落を見下ろす近くの高台に梅を見に行ったついでに、その麓にある「お不動さん」をお参りした。これは先日、近くに住む人から教えてもらったものだ。丘陵の中腹に祀られている不動尊は、周囲がよく掃き清められおり、剣の供物なども供えてあって、現在でも厚い信仰が維持されている様子がうかがえる。石仏の刻字は磨耗して読めないが、風化の具合から、かなり古いものらしい。像は倶利伽羅龍(クリカラリュウ)が、利剣に巻きつき、今にも飲み込もうとしているもので、いわゆる倶利伽羅龍王の像である。八郷では初めて見るものである。倶利伽羅不動尊は、「水神」として水辺近くに祀られることが多い。ここも近くに細い谷川が流れているから、そうかもしれないが、不動尊の目の前の丘陵が、中世時代に佐竹の要害(砦)のあった場所であるから、むしろ、それとの関係があるのかもしれない。

 さらに、林の奥に進んだら、狭い谷津の先端の「こんなところに家が?」と思うようなところに一軒家を見つけた。突然訪れたにも関わらず、好々爺然としたおじいちゃんと家族が親切に対応してくれて、昔の筑波山参拝道の話や山向うの集落のこと、日頃の暮らしぶりなどをたっぷり聴かせてくれた。聞いたら、おじいちゃんは93歳だという。この山の中から外に出ることは、ほとんど無いという。まるで仙人である。
 もしかすると、八郷は、本当に「仙郷」かもしれない(笑)。隣のおじいちゃんなどは、100歳を超えても元気に畑仕事をしている。



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