2009年4月29日

アカヤシオ


 まだ、腿の筋肉が痛い。一昨日の27日に、仲間のSさんと栃木県の栗山村までアカヤシオを見に行ったのだ。冬の間に弱った足腰には、かなりの運動となった。高さ1280mの月山は、まさに今が早春で、楓やブナの木々はやっと芽を膨らませたばかり。時折、吹き付ける強い北風に載って、風花が舞っている。南を向くと、温かな光と早春の樹木たち。北は、遠く山頂が煙っている。吹雪いているのだろう。まさに、僕らは、春と冬のせめぎ合いの現場に立ち会っているようだ。近くの山肌は、まだ枯れ木の森のよう。その中に、点々と鮮やかなピンク色のアカヤシオの花が目立つ。見事な眺めである。こんな華やかな花が、自然のなかに存在するのが不思議でならない。まるで、人間を感動させるために進化してきたかのようである。そんなバカなことは無いが、それでは、誰に見せるために、こんなに美しく咲くというのか。

2009年4月26日

牡丹に富士山


 昨日の雨が大気を洗ったので、あたり一面に透明な空気が満ちている。風景が、くっきり見える。若葉を抜けた風が香しい。今日は、打ち合わせの後、仲間たちと「つくば牡丹園」に行った。日頃、「園芸植物より、野山の花が好きだ」なんて格好を付けている僕だが、愛情と丹精をこめて育てられた牡丹の花を、しげしげと眺めると気持ちがぐらついてくる。色は深紅から雪白まで、雰囲気は妖艶なものから清楚なものまで何千という花が咲いていた。関社長から、古い株では80年ものがあるとか、毎朝花の数をカウントしているとか、種子を採取して蒔く時期は何月何日に限るなんて聞くと、「この人は、牡丹に取り付かれているな〜」と思ってしまった。
 帰りは、いつものように「カフェ・ポステン」でコーヒーを飲んでから不動峠を越えた。眼下の田んぼには、もう水が張られていて、夕暮れの空を映している。はるかその先には、富士山のシルエットが。(写真をクリックしてください。大きくなります)

2009年4月23日

ムカデ退治

 皆さんはムカデを見た事があるだろうか。僕は昨夜、ウン十年ぶりで遭遇した。パソコンでHP作成に夢中になっていたら、すぐ脇の壁で、ポトン、シャシャシャというかすかな気がした。何の虫だろうと思って見ると、何と15cmもあろうかというムカデであった。背筋がビビッと震えた。反射的に、手元の本で叩いた。しかし、奴はそれくらいではへこたれない。まだ、動き回って、僕に刃向う気配すらある。今度は、ハードカバーの背表紙で一撃した。そうしたら何か白いものを腹から出してのびた。
 普段の僕は、山小屋にやって来た虫には寛大な方で、その精妙な身体の作りや色彩をじっくり観察したあと名前を調べたりして、しばらくの間遊び相手になってもらっている。虫は、良き暇つぶしの相手であり、長い夜の慰めでもある。しかし、ムカデは別だ。第一、ムカデは昆虫では無い。蛇蝎の輩だ。昔、田舎の古い屋敷に住んでいた頃、家人が寝静まって物音が消えた真夜中、シャワシャワと寝室の襖を歩き回るムカデの足音を、今でもはっきり覚えている。寂しいような、恐ろしい音である。そんな訳で、足を数えたり写真を撮る余裕など、まったく無かったから、今日は文字だけのブログです。

2009年4月22日

今頃の庭を紹介するのは大変だ








 今頃の庭を紹介するのは大変だ。つぎつぎと絶え間なく自然のイベントが続く。だから、今日は、ウワミズザクラの開花とホウノキの芽吹きだけにしたい。
 写真を撮っていたら、足下にワラビが出ていた。わりと太くて立派なものだ。周りを見るとたくさん出ている。さっそく、今日の昼の総菜に摘んだ。ワラビは、摘んでも摘んでも、しばらくするとすぐ生えてくる。当分の間、食べられそうだ。


(画像をクリックすると大きくなりますよ)

 

理想的な職場


 天気予報では、今日(21日)は午後から雨のようだし。そこで、山小屋でおとしく過ごすことにした。そこで、こんな日に相応しい仕事をすることにした。ホームページ制作である。まだ、雨は大丈夫そうなので、野外のデッキに道具一式を持ち出した。曇り空なので、僕の旧いパソコンの液晶でも何とか画面が読み取れる。それに、何と言っても、今頃の野外は実に気持ちがいい。若々しい緑に囲まれての職場だ。座っている後には、もうハルジオンが咲き出した。初めてのデビューに上気したのか、蕾を僅かにピンク色に染めてうつむいている。今、作っているホームページは、僕が関係している筑波山麓の環境保護団体のものだ。仕事がどんどんはかどる。斬新なアイデアも、つぎからつぎへと湧いてくる。湧いて来るような気がする。


2009年4月20日

蕎麦屋の離れ


 昨日のそば屋の記事で、誤解されては申し訳ないので、庭の片隅にある離れを紹介する。この素晴らしい離れに食料を持ち込んで自炊すれば、何人でも一泊2500円で独占できるという。家の脇には、谷川が流れていて、居間やお風呂からの眺めが素晴らしい。やっぱり、これも驚きか。

2009年4月19日

驚きの森の蕎麦屋


 今日は、僕の職場の一つでもある筑波山でカタクリの観察会に参加した。暑すぎず、寒すぎず、快適な天気だったし、森は落葉広葉樹の芽吹きとヤマザクラの花が混じり合って実に美しかった。
 さらに、今日という日を、豊かにしたのは、解散後だ。まず、人里離れた森の中にある「そば屋」から始まる。まず、そのロケーションだ。誰でも、こんなところにあるのに驚くだろう。何しろ、林道の脇道を入った先に大きな樹木に囲まれてポツンとあるのだ。Tさんの話だと、蕎麦そのものは結構旨いという。ただし、そこではゆっくり時間が進むらしいから、たっぷり時間がある時に行くべきだという忠告もついていた。こういう話を聞くと、どうしても行ってみたくなるのが僕だ。さっそく、観察会の帰りに寄った。さて、店にというか、よく田舎にある集会場のような広間に入ると、確かに只ならぬ雰囲気を感じた。大きな絵画や、書が古びた賞状の脇にかかっているかと思えば、その下には、民族楽器がいくつも置いてあり、なんと、広場の片隅にはグランドピアノまである。もちろん、客席は座り机に座布団である。客は広間に僕一人。おばさんがお茶を運んで来たので「天ぷらざる蕎麦」を注文した。おばさんは、それを奥のおじさんに伝えると、なんと自分の茶椀を持って来て、僕の向かいに座り、世間話を始めたのだ。何処から来たのかとか、これまで何をしていたのかなどを聞き出すと、おもむろに立ち上がって奥の調理場に行き、天ぷらを揚げ始めた。僕は、窓越しの葉桜やコナラの大木の新緑を眺めながら、気を静めて待つ事、20分。やがて、おばさんが蕎麦を運んできた。その香りの良い事、その美味しい事。たらの芽、シラキ、椎茸、三つ葉、その他?の天ぷらのうまい事。Tさんから聞いた通りだった。(ただし待ち時間という調味料が入っているかも)これが驚いた二番目。
 食べ終わるのを待っていたかのように、おじさんが出て来て、今度はコーヒーを飲みながら三人で話した。何でも、ここに店を開いたのは20年前。薮の整備から始めたという。今は、通年、休日だけ店を開いているという。敷地は3000坪で、そば屋の他に、宿泊設備(これは素晴らしい離れ屋)、木工所、鉄工工作所、パン釜、陶芸釜とろくろ等の設備、石彫刻場、本格的な炭焼き釜、ホタル池・・・・などなどがある。そして、これらを僕に案内するから付いて来いという。見たところ、いずれも半端なものでは無かった。趣味の域を脱しているのだ。鉄工所には、大型の旋盤まである。ただし今はホコリをかぶっていたし、炭窯は少し崩れていたが。でも、陶芸設備は、現役で活躍していて、今でも陶芸教室を開いているという。自分の四十九日忌のための引き出物にするという大皿がたくさん干してあった。今から用意しておくのだそうだ。パン釜は、出来上がったばかりで、使いこなすのはこれからだという。このおじさんの趣味と敷地の広さと購入価格が三番目と四番目の驚き。
 極め付きの驚きは、何と、あの人が良さそうで時間を忘れたようなおばさんが、かつてアメリカのカーネーギー・ホールで、あの部屋の隅にあった古ぼけた和太鼓を使って演奏したというのだ。これには、僕もぶっ飛んだ! でも、これを聞いて、グランドピアノの謎が解けたような気がした。
 時々、広間でコンサートを開催するという。まさか、あのおばさんが演奏するとは思えないが、聞き忘れたので、確認するために、絶対、また訪れようと思う。
 
 春の夕方、2時間ほどを店で過ごしたあと、途中にある露天風呂に入り、筑波山に日が沈むのを眺めながら、実に長く豊かだった今日一日を反芻しながら過ごした。



2009年4月18日

いま、やさとは梨の花盛り


 今日、やさとの山小屋に来た。途中の梨畑の眺めがあまりに見事なので、バイクを止めて写真を写した。(クリックすると大きな画像でご覧になれます)

今年の畑

 三年ほど前から庭の隅に数坪の畑を作っている。昨年の秋には、ナバナ、辛みダイコン、カキ菜を蒔いた。このうちナバナとダイコンが、まずまずの収穫であった。それに気を良くして、先月、サヤエンドウの苗とジャガイモを植えた。さらに今月に入って、ツルありインゲンとネギの苗を植えた。これから、ナスやトマトも植えるつもりだ。
 今日見たら、すでに、ジャガイモもインゲンも芽を出している。今のところは、皆、順調に育っている。しかし、油断は出来ない。勝負はこれからなのだ。すでに畝の上にはカナムグラなどの雑草が一斉に芽を出して隙をうかがっている。この畑の場所は、三年ほど前まで、夏になるとキクイモの上をクズやカナムグラの蔓が覆いかぶさって薮のようになっていた所だ。それを「開墾」して、畑にしたのだ。まだ、地中には、たくさんの雑草の種子や地下茎が埋まっているのだろう。夏になるとそれらが一斉に発芽して、瞬く間にまた元の薮に戻ってしまう。
 昨年も、春の間は、何とか畑の様子だったので油断していたら、夏には原野のようになってしまった。納豆に入れようと思ってネギを穫りにいったが、とうとう見つからなかったこともある。僕の完全な敗北である。
 今日、「今年こそ、今年こそ畑にしてやる!」という決意を、また今年も繰り返した。

2009年4月15日

美しい朝


 気持ちのいい朝だ。夕べの激しい雨と風が去って、すっかり晴れた。林の芽吹いたばかりの若葉はまだ濡れている。若葉の雨粒を朝の光が照らしている。ときどき吹き抜ける風がそっと若葉を揺らすとキラキラと宝石のように輝く。
 植物たちは、久しぶりのまとまった雨をたっぷり吸い込んで喜んでいる。でも一番喜んでいるのはカエルたちかもしれない。下の田んぼから大合唱が聞こえる。ホオジロやウグイスも鳴きながら庭のあちこちを飛び回っている。ヒバリも鳴き出した。コジュケイが騒いでいる。春の慈雨を受けて。生きものすべてが喜びの歌を歌っているようだ。
 さて、今日の朝食は外にしよう。

2009年4月14日

不動峠のヤマザクラ

 いつも山小屋に行くのに、北条の町から平沢官衙遺跡の脇を通って不動峠を越える。この道は、筑波山の表側と裏側を結ぶ古くからの道である。僕にとっても、この峠道は特別な意味を持っている。それは都市の生活と山小屋の生活を分ける境界であり、少々大げさに言えば、煩わしいことの多い現実の日常と夢幻のような非現実の世界とを分ける峠道でもある。

 原付バイクで、細く曲がりくねった道を神経を集中しながら走っていると、いつの間にか下界の事はすっかり忘れている。次々と展開する美しい風景や鬱蒼とした樹木の茂み、路傍の可憐な草花にすっかり心が奪われ、徐々に自分が透明になっていくように思える。峠の頂上に達する頃には、いままでとは「異なった世界」に入り込んだような感じがする。ちょうどこの季節、ヤマザクラの花が峠を埋めるころには、なおさらこの感じが強い。


2009年4月12日

アカヒレの赤ちゃん誕生

 自宅(私は山小屋と流山にあるボロ家の二住生活者なのだ)の机の上にある小さな水槽を見たら、沢山の小さなものが泳いでいる。ミジンコでも湧いたのかと思って、よく顔を近づけてみると何と小魚ではないか。3匹ほど入れておいたアカヒレが、いつの間にか卵を産んで孵化したのだ。この数日間、暖かな天気が続いて水温が上がったからだろう。もう繁殖を開始したようだ。さっそく、メダカ稚魚用の餌(「ちびっこメダカのエサ」)を買ってきて与えた。このところの晴天続きは、こんなところにも影響している。
 明日から、また山小屋に戻る。きっと木々の若葉は一段と成長しているのにちがいない。

2009年4月11日

木の芽が一斉に吹き出す

 アブラチャンの小さな黄色い花が咲いたのは、ついこの間だと思っていたのに、庭の木々の芽が一斉に吹き出した。先月の末から、暖かな良い天気が続いたからだろう。その速さは驚くほどである。朝はまだ冬芽が軽くほころんだぐらいかなと思っていたら、夕方にはみずみずしい幼葉がのぞいている。カツラなどは、赤紫色の小さなハート形の葉を無数につけている。それも根元の方は大きく、上にいくほど小さくなるのが面白い。小屋の入り口脇にあるナツツバキなどは、もう一人前の葉を開いている。
 枝垂桜やシデコブシは、もうとっくに咲き終わった。今咲いている花は、リキュウバイとプラムである。これから、コナラやクヌギ、ブナやカシワなどのどんぐりの木が、地味な花を一斉に咲かせるだろう。