2010年5月7日

カマツカの花が咲いた

 庭のカマツカの花が咲いた。つい、先日まで小さな蕾をたくさんつけていると思っていたら、白い可愛い花を咲かせていた。子供の頃、通学路の途中の雑木林の縁にこの木があって、秋になると、赤い楕円形の小さな果実がたわわに実り、学校帰りに枝をたぐり寄せて取って食べた。リンゴのような味がして美味しかった思い出がある。昨年の秋、庭に実った実を食べてみたが、すこしも美味しくなかった。また、この木は硬くて丈夫で折れ難いので、名前の通り「鎌の柄」に利用したそうだ。ウシコロシという恐ろしげな別名もある。これは牛の鼻に綱を通すとき、この木で鼻の障子に穴を開けるのに使われたからだそうだ。いずれにせよ、昔は農家の生活と密接な関係を持っていた身近な木だったのだろう。

この2,3日、また、猫の本を読んでいた。町田庚の「猫にかまけて」(講談社文庫)という最近出版されたばかりの文庫本である。著者の町田庚は、パンク歌手兼詩人兼芥川賞作家で、この本は彼と奥さんが4匹の猫と共に暮らした日々を綴ったものである。その情感溢れる的確な描写は、さすが文学賞を総なめにしただけの才能が感じられる。読んでいて、我が家のピーと重なることが多く、「そうそう」と何度もうなずいた。遊び好きで無邪気なヘッケや22年間一緒だったココアとの死別の場面は涙なしには読めない。猫好きの必読書だ。

0 件のコメント: