2011年2月24日

フェイスブックを始めた

僕は、古いものも好きだが、新しいものにはすぐ手を出す癖がある。さっそく、いま流行のfacebookを始めた。まだ、機能を十分に使いこなしていないし、登録した友達も少ない。しかし、これが世界最大のSNSで、現在、ユーザーが6億人を突破したというのもうなずける。実に強力なコミュニケーション・ツールだ。6億人といえば、中国(13億人)、インド(12億人)についで、3番目だ。アメリカ(3億人)より多い。これだけユーザーが多ければ、今回の中東の相次ぐ大規模なデモ勃発の背景にfacebookがあったように、現実世界でも何らかの力になりうるだろう。

夕べ、パソコンを眺めていたら、驚いたことに、facebookの「知り合いかも?」の欄に、10年近く無沙汰していた若い友人が紹介されていた。写真には、はじめて見る奥さんと大きくなった子供たちが写っている。懐かしくて、さっそく、チャットしたら、元気な「声」が返って来た。彼は、筑波大を卒業してすぐに福島に移り住み、奥さんと一緒に有機農業をやりながら二人の子供を育てている。10年間の空白期間があるのに、農業で生活することの厳しさ、現在の百姓の置かれた位置、それでも諦めない姿勢などを、時間を忘れてパソコンの画面上で語り合った。厳しい現実のなかにあっても、なお学生時代に描いた夢を着実に実行している彼の生き方に、こちらが元気付けられた。

2011年2月23日

ピーのドア

夕べ、暗くなってから小屋に戻ると、呼びもしないのにピーが、入り口の前で僕を待っていた。何となく様子が変だ。元気が無くて、いつものように喜んでじゃれつかない。部屋に入って、餌をあげようとして解った。右の後ろ足が痛いのだ。足をあげたまま、よろよろ歩いている。見ると、外傷は見当たらないが、明らかに腫れている。また、喧嘩をして噛まれたのだろうか。そっと触ったら、弱々しく痛そうに鳴いた。今朝になり、ペット病院で注射を打ってもらい解熱剤の座薬をもらったら、薬が効いたのか午後にはだいぶ元気になり、足も地面に付いて庭を歩き回るまでに回復した。まったく、手の焼けるやつである。先日のお尻の傷が治ったと思ったら、今度は足だ。どうも、僕が流山に帰っている間、留守にするからと多めに餌を置いておくのがいけないようだ。その餌を横取りしようとして小屋に侵入してきた泥棒猫と争うのかもしれない。そして負ける。そこで、今までのようにドアを半開きのままにしないで、猫ドアがあれば、よその猫は「無断」で侵入するのに少しは心理的な抵抗があるかもしれないと思って、とうとう猫ドアを作る事にした(甘いかな?)。ログの分厚いドア板に穴をあけるのは、あまり気が進まなかったが、これからの長いピーとの付き合いを考えて思い切って実行した。夕方までには、ほぼ完成して、ピーもさっそく利用している。

2011年2月21日

マツユキソウ

まだ、ストーブを焚いているが、ひと頃に比べて大分暖かくなった。今日、流山から山小屋に戻ったら、庭のカツラの木の下にマツユキソウが咲いているのを見つけた。この花はスノードロップという名前の方がよく知られているだろう。春の到来を告げる可愛い花だ。しかし、この花を絶対に人に贈ってはいけない。なぜなら「あなたの死を望みます」という意味になるそうだから。西洋では、よく修道院の跡地に生えているという。何か宗教的な行事と関係があるのかもしれない。
いまから8年前、この土地に小屋を建てたとき、春になったら花が咲くように、庭のあちこちにいろいろな球根を埋めた。今では、どこに何を植えたか忘れてしまったが、こうして毎年、春になると思い出させてくれる。

2011年2月19日

クサギカメムシ

 ストーブで部屋が暖まったので、薪と一緒に入って来たカメムシが越冬状態から目覚めて、小屋のあちこちを這い回っている。別に刺したりしないから、ただ歩き回っているだけなら、あまり気にしないし、よく良く見ると面白い模様をしていて楽しい。しかし、間違って掴んだりしようものなら、強烈に臭い!ピーもこのことは、よく知っていて、ゴキブリのように捕まえて玩具にするようなことは決して無い。鼻先を歩いていても無視している。先日も、暗闇で何かを取ろうとして触ってしまった。その臭いこと、臭いこと! 石鹸で洗っても、なかなか臭みが取れない。図鑑で調べたら、このカメムシの種類は「クサギカメムシ」というやつで、「マメ類やミカン、カキなどの多くの果実の汁を吸い」、「成虫は越冬のため集団で家屋に浸入する」ことがあるという。果樹農家にとっては、とんでもない悪者のようだ。

2011年2月17日

山小屋の夜

薪ストーブが赤々と燃えている。
上に載せた鉄瓶が沸騰してシューシュー言っている。
その前で、猫のピーが丸くなって寝ている。
その隣で、僕は寝転んで「陶淵明」を読んでいる。

2011年2月15日

夢の話

夢の話で恐縮だが、楽しいことだから許してもらいたい。夕べ見た夢である。僕が、どこか海岸の町で、プールのようなところでたくさんの魚を飼っている。すると、その中の一匹が、だんだん大きく育って、次第に赤い色を帯びて来た。目を凝らして水中を良く見ると、なんと「人魚」ではないか! 僕は、「人魚」を育てていたのだ! ここで夢の記憶は飛んで、次は桟橋みたいなところで、その人魚と再会出来た事を懐かしくまた嬉しく思いながら会話している場面だ。話をしながら、「こんな美人で良い子は、○○君の嫁さんに丁度良いな〜」などと考えていた。ここで目が覚めたが、暖かい気持ちでいっぱいになっていて、しばらくの間、幸福感の余韻を楽しんだ。
これは、少し前のことだが、小さな可愛い子どもが泣いている。どうしたのかと聞くと、「僕は天使だけど空が飛べないんだ」という。そこで、「空を飛ぶのは簡単だよ。ほら、こうして他のことは何も考えないで自分は飛べると信じればいいのだよ」と教えた。ここで目が覚めて、そのとき小屋に泊まっていた友人に、起きぬけに突然「俺は天使に飛び方を教えたよ」と言ったときの彼の唖然とした表情は忘れられない。こんなことを、あまり書くと頭がおかしいのではないかと思われるかもしれないので、この辺で止めておく。(えっ、もう遅いって?)

2011年2月12日

山腹の雪模様

夕べの雪もたいしたこと無かった。せっかく、今日の予定を中止したのに、昼近くには雨に変わってみるみる間に溶けた。暇なので散歩に出たら、山腹のヒノキ林に残った雪が、細かな模様となっていて美しい。急いでカメラを取りに戻って撮影した。

小屋に帰って間もなく、東京にいるはずの息子からメールが来た。今、アリゾナの砂漠を突っ走っているという。現在では、少し昔の山小屋生活と状況が違うのだ。その気になれば、地球のどこからでもリアルタイムに会話が出来る。お望みなら、顔を突き合わせたチャットもできる。読みたい本も、クリック一つで翌日には届く。気に入った映画もその場で見られる。今では、少し前までの人々が想像する山小屋生活=森に隠った生活とは、まったく環境が異なる。これがどういう意味を持つかの判断は難しいが、僕自身は「快適」だと思っている。

2011年2月11日

今夜は大雪になりそう

また、雪だ! 昼頃、一時小降りになった雪も、また強く降り出した。融けかかった庭の雪も、再び積もりはじめた。予報によると、このまま明日の朝まで続くそうだから、明日の朝はそうとうな積雪になるだろう。今週は、急ぎの用事が無いからいいようなもの、この3連休は山小屋に足止めになるかもしれない。少しばかり不安なのは食材が不足気味なのと、灯油がほとんど無いこと。まあ、いずれも何とかなるだろう。有り余っているのは、静かな時間。そこで、朝から本を読んでいる。今読んでいるのは、先日、amazonから届いた内山節の『「里」という思想』と『自然の奥の神々-哲学者と共に考える環境問題-』である。いずれも、じっくり噛み締めながら読むべき内容なので、このような状況は、まことにふさわしい。読んでいる場所のせいか、内山さんの言わんとしていることが、す〜っと頭と心の奥深くに染込んでポトリと落ちる。
ピーの傷も、だいぶ回復してきたようで、食欲も少しずつ出て来た。いま、窓の前に座って、じっと雪景色を眺めている。

2011年2月6日

猫に喧嘩の仕方を教えたい

こんなに精悍な面構えをしていて、ノウサギやトラツグミなどの獲物も捕獲してくるのに、うちのピーは、からきし猫同士の喧嘩に弱い。まだ1歳半の子どもだからだろうか、それとも去勢したからだろうか。先月も尻尾の根元を噛まれたらしく化膿して痛がるので病院へ連れて行った。昨年の夏も同じ事があったから、これで2度目である。きっと、喧嘩して負けて逃げて木に登ったのはいいが、追いかけてきた猫に後ろから爪を立てられたか噛まれたのだろう。薬を一週間ほど飲んだので、今では元気になったが、一時はショックだったらしくしばらく落ち込んでいた。でも、傷のところは毛が抜けて白い地肌が見えたままである。もともと、ピーの尻尾はふさふさして立派だから、その根元がだけがハゲていると、まるで犬のプードルみたいで笑える(ピーには悪いが)。獣医によると、また毛が生えそろうには半年かかるという。相手の猫は、ほぼ目星がついている。近所のいかにも性悪そうなアメ・ショウの雄だ。どなたか、猫を強くする方法をご存知でしたら教えて欲しい。

2011年2月4日

春立ちぬ

ピーと庭で遊んでいると、小屋の脇の山道で人の声がする。誰だろうとのぞいてみると、中高年のハイカー20人ほどが一団となって峠から降りて来た。やっと開けた場所に出て、みなホッとしている様子で、折からのさわやかな風に吹かれて、誰かが「清々しいね〜!」と声をあげた。本当に、今日は暖かい。僕も、この陽気に誘われて散歩でもしようかという気分になって、集落の奥へ向かった。すると、小高い丘の周辺で、若い人たちが何かしている。どうやら、昨年に引きづづいて今年も美大の学生たちが、竹でオブジェを制作しているらしい。あぜ道を通って近づいてみると、一人の女子大生が、竹の風車を田んぼの中に懸命に設置している。聞いたら、明日からの公開で最後の追い込みだという。今年のテーマは「風」だそうだ。その周りでは、太い竹に穴を開けたのが何本も田んぼに刺さっていたり、たくさんの風車が、時折吹く風を受けて回っている。高台の上では、女子大生が二人、脚立に登って竹の巨大なオブジェと格闘している。
その竹を組み合わせた造形の間からは、尖った筑波山を背景にして暖かな日差しをあびた集落が見えた。そういえば、今日は2月4日、「立春」だ。もう「春」になったのだ。皆、野外を楽しんでいる。