2011年3月24日

目が覚めたら悪夢

ガソリンが入手できたので、しばらくぶりに流山の自宅に帰った。夕方、街に出て書店に入ると、色鮮やかな雑誌や書籍の山、店内に静かに流れる心地よい音楽、漂う新刊書の匂い。大地震の発生からこれまで、山小屋に一人きりで閉じこもり、震災や原発のニュースだけを聞いて過ごした世界とは、あまりに違う空気なので戸惑った。
これは現実ではなく夢の世界の出来事で、つい先日、3万人もの人々が一瞬のうちに死に、今こうしている間にも、夥しい数の人が家を失い餓えと寒さと将来の不安にさいなまれているし、原発の危機も継続していて、明日にも何十万、何百万の人が被爆するかもしれないという状況こそが「現実」なのだと思ったとたんに、突然、目が覚めたような気分になって店から飛び出した。

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