2012年10月31日

今度はトラツグミ!

 キツネのブログを書き終わって、ぼんやり窓から庭を見ていたら、しきりに落葉を啄んだり、ひっくり返している鳥がいるのをみつけた。双眼鏡で見たら、トラツグミだ! 特徴ある胸のトラ皮模様がはっきり判る。もう、渡って来ているのだ。ピーは、夕べの夜遊びが過ぎて、僕のベットで朝寝坊しているのが幸いだ。

たった今、キツネが!

 たった今(午前6時55分)、山小屋の庭をキツネが横切った。西側のヒノキ林から出てきて、窓から8mほどのところをスタスタと歩いて東側の森に向かって行った。まだ、若いキツネなのだろう。大きな尻尾にスラリとした体型が美しい! 撮影しようとカメラを取りに行っている間に姿が消えた。どうか、また現れて欲しい。(できたら、女性に化けて)
 これで、今年はテンにキツネと人を化かす獣が二つも現れた。残すはタヌキのみ。これは僕が見ていないだけで、きっと来ているだろう。いよいよ、理想の山小屋になってきた。実に嬉しい!!!



2012年10月26日

陽だまりがほしい


 このところ、八郷の朝夕が、急に冷え込むようになった。シャラの木もヤマボウシも、色づき始めた。北斜面のカラムシの葉は、朝露に濡れていかにも寒そうだ。今朝などは肌寒くて、暖かな陽だまりが欲しくなったほどだ。そこで、庭の南側に椅子を持ち出した。ぽかぽかと朝日が当たって、実に気持ちが良い。シジュウカラやヤマガラの群れが、すぐ脇のコナラの枝で騒いでいる。リンゴを齧りながら、本を読んでいたら居眠りしたくなってきた。ピーも隣で寝ている。
この日光浴用の椅子は、来年の春までここに置くことにしよう。


2012年10月24日

祝!初めてユズが実る


 30年以上も昔に栃木県の田沼町の市でユズの苗木を買い求め、自宅の庭の隅に植えて大事に育ててきた。毎年秋になるとたくさんの実をつけて家族を喜ばした。しかし、一昨年、宅地造成で伐採しなければならなくなったのだ。非常に残念に思っていたいたところ、山小屋の裏庭に植えておいたユズの木がいつの間にか大きなって、とうとう今年初めて実を付けた。今日、何気なく葉の茂みを見上げたら、その中に濃い緑のユズの実を見つけた。一つだけではない。あちこちに丸い緑の玉がぶら下がっている。この木は植えてから6、7年経っている。「ユズの大馬鹿18年」と言われて、実生からだと実るまでに長い年月がかかるが、これは接ぎ木だから早かったのだろう。幼いうちは、八郷の厳冬期を無事に越えられるかと心配したが、もう、大丈夫だ。これからは、毎年、実ってくれるだろう。さて、初ユズをどんな料理に使おうか。柚子胡椒でも作ってみようかな。


2012年10月19日

ピーはトコだ!

 実はネコには、ネコ、ヘコ、ムコ、トコの四種類があるのをご存知だろうか? ネコはネズミを、ヘコは蛇を、ムコは虫を、トコは鳥を捕るのを専門とする。
 どうやら、うちのピーはトコのようだ。今朝の明け方、隣の部屋でドタバタする音がするので起きたら、ピーが、黒と黄色の入った小鳥を咥えている。何処かで狩りをしてきたらしい。急いで小鳥を取り上げたときは、もう息絶えていた。見ると、白いお腹に鮮やかな黄橙色の胸、そして黒い背中に白と黄色の模様、眉も黄色で、あまり見慣れないとても美しい小鳥だ。そうだ!これはキビタキの雄だ! キビタキは、春の渡りの頃、梢でさえずっているのと稀に出会う事があるが、今頃の季節に見かけるのは初めてだ。夏鳥だから、日本の何処かの森で繁殖して、これからフィリッピン辺りまで、ひっそりと帰ろうとする途中だったのだろう。それが、たまたま、僕の庭に羽根を休めたばっかりに、ピーに捕まってしまったのだ。可哀想なことをしたと思うが、これも野生のなせること。ピーを叱ってもしかたがない。

2012年10月14日

ヨメナかユウガギクか?


  萩が終わって、今頃の庭を飾るのキク科の植物だ。入口の道路に沿って白い花が一面に咲いている。キクの種類を見分けるのは難しい。ずっと、カントウヨメナだと思っていたが、道路脇にかがみ込んで見れば見るほど、そう断定する自信が揺らいでしまった。図鑑に、ユウガギクは、「葉がヨメナより薄く、しばしば羽状中裂」とある。確かに、葉っぱの切れ込みが深い。
 万葉集にある「春日野に煙立つ見ゆ少女らし春日のうはぎ採みて煮らしも」の「うはぎ」は、ヨメナの古名である。古くから、春先に、若葉をつんで食用とした。もっとも、これは、西日本に分布するヨメナを歌ったもので、東日本のは、このヨメナとユウガギクの中間型(カントウヨメナ)というから、どうりで判別が難しいはずだ。
 G先生の本によると、「ゆでて刻み、塩味と共に熱いご飯にまぜ、独特の風味を楽しむ」とあるから、来年の春まで忘れていなかったら試してみよう。食べるぶんには、どちらでも同じだろう。



2012年10月9日

美味しい食事を求めて


 今朝のブログで気分が悪くなった方がいるかもしれないので、口直しをアップする。
 このところ忙しかったので、ちゃんとした食事をしていなかった。そこで、今日こそはと思って小屋を出たのはいいが、連休明けの火曜日なので、行きつけのレストランがみな休みなのだ。困った!うろうろと車で探したが適当な店が無く、とうとう岩瀬を過ぎ、雨巻山を回り込んで栃木県の益子まで行ってしまった。益子なら気の利いた店がいくつかある。その中の『カ*エ・フ*ネ』に入ることにした。ここは少し奥まった静かな谷間にあって、陶芸家の家族三人で営んでいる。食器類はすべて陶芸家のご主人と息子さんの作品、料理は奥さんの手作りだ。お皿やカップはもちろんのこと、建物、部屋、庭も、実に洗練されていて居心地が良い。そして、料理はというと、これまたセンスが良くて、素晴らしく美味しいのだ。写真を撮りたくなる気持ちをぐっと押さえて、僕が食べたのは、イカのマリネとローストビーフ、オリーブの実が入ったサラダ、鳥もも肉のローストにバルサミコ・ソース掛け、焼きムール貝、刻み野菜の乗ったごま豆腐、それに良く味の染み込んだ冷野菜、そしてカボチャのクリームスープと二種類のパン。デザートはマスカットと梨、それにコーヒー。これらのどれをとっても、かなりのグレードである。そして、お値段は驚くほど安い。
 それにしても、お客は女性ばかり。こんな良いお店が女性だけに占領されるのは、残念でならない(半分冗談)。


変ないきもの二つ


 2日から続いた『筑波山の自然展』も、昨日で終わり、Kさんから借りていたムササビの剥製も返した。久しぶりにのんびりした気分で庭を歩いていたら、「変ないきもの」を見つけた。一つ目は、丸くて白い玉子で、つまむと嫌らしい弾力がある。一瞬、ヘビの卵かと思ったが、この季節に産卵するはずが無いと思いなおし、勇気をだして半分に切ってみた。どうやらタマゴタケの仲間のようである。昔から、キノコや粘菌は、どことなく動物的なところがあると感じていたが、ますます、この思いを強くした。彼らは動物に成りきれない植物だ。まだ、他に2個あるので、これから何が出てくるのか見届けてやるつもりだ。

 二つ目は、裏庭の夏みかんの若葉を食い荒らしている正体が判った。模様からすると、クロアゲハの幼虫らしい。グリーンのビロードで作った縫いぐるみみたいで可愛い。垂れ目の模様も愛嬌がある。指で触ったら、匂いのする二股の紅い角(肉角)を、ニョローと出した。これで、僕を脅したつもりのようだが、結構、良い香りだし、色も美しいので、かえって喜ばせてくれる。幼いミカンの木を丸坊主にされるのも困るが、この子が羽化するまで見届けたいので迷ったが、結局、そのままにしておくことにした。



2012年10月7日

刺激的な一日


今日は、ひどく刺激的な一日だった。まず朝7時半から9時まで、筑波山麓の山寺で座禅をして過ごし、午後は武蔵美の学生たちと八郷盆地を巡った。八郷は、もの作りの人たちが多く住む所だ。陶芸、絵画、書、工芸、木工、染色などなど、様々な分野で活躍している。今日の学生たちは建築科である。そこで、是非とも I 先生のお宅を訪問しようと思った。なにしろ、そのお宅は、I 先生が自ら設計し、ご夫婦だけで建設しているのだ。全体計画は20年であるが、8年目にあたる現在は、母屋だけが完成している。今年度の環境建築部門の最優秀賞を受賞しただけあって、その完成度は「すごい!」の一言だ。さらに驚嘆するのは、屋根葺きと漆喰壁を除いて、基礎も構造もOMも、内装も家具も、すべてをご夫婦二人だけで作ったのだ。もう、セルフビルドなどと軽々しい言葉は使えない。建物の内部も案内して頂いた。ここでも、また、驚きが私たちを待ち受けていた。それが何なのかは、長くなるので次の機会に。

 八郷の山々が望めるデッキの上で、I 先生が図面や写真を広げ、学生たちは目を輝かせて、先生のレクチャーに聞き入っている。そんな姿を見ると、まるで大学の講義のようで、思わず微笑んでしまった。一人の学生にどうだったと聞いたら、「もう、大学の講義以上の素晴らしさで感激です」と答えていた。当たり前である。ここは、先生が、自分の思想に基づいて、自ら制作した「作品」の現場なのだから。


2012年10月2日

彼岸花

今年は咲くのが遅いと思っていたヒガンバナが、いま花盛りである。『筑波山の自然展』の帰り、筑波山神社の駐車場の脇にたくさん咲いているのを見つけた。この花は、よく陽の当たる畦や土手にも似合うが、お寺のスダジイの少し薄暗い木陰などで、どことなく妖しい雰囲気を周囲に漂わせているのも決して悪くない。この植物は、方言が関東以西を中心に千個以上もあることからわかるように、昔から人との結びつきが強く、分布の拡大は人の手によるものと言われている。毒性を利用して、田んぼの畦やお墓を野生動物が荒らすのを防いだり、飢饉の際には鱗茎を水にさらして澱粉を取り食用としたりと何かと人の役に立った植物なのだ。
 そんな、すこし重苦しい過去の影を忘れて、純粋に花そのものを凝視すると、その鮮やかな緋色と造形美にハッとする。ぜひ写真を拡大してご覧あれ。