2013年6月25日

ヤママユガの幼虫


 先日から入口にあるブナの若葉が、何者かに喰われていると思っていたら、今日、その犯人を発見した。ヤママユガの幼虫である。体長が8cmもあって、のっしのっしとブナの小枝を登っていた。梅空の雲間から射しこんだ日の光を浴びて、全身が透き通るようなグリーンに輝いている。大切なブナの若木を食い荒らされては、とも思ったが、幼虫が、あまりに立派で美しいので、このままそっとして置くことにした。この幼虫は終齢幼虫のようだから、間もなくして、あの緑の美しい繭を作るはずだ。これもとても楽しみである。
 ヤママユガの繭は、天蚕(てんさん)と呼ばれて、日本古来の野生の繭(野繭)である。いわゆる普通の繭(家繭)より、糸は太く光沢があり張度も強い。色は、緑がかった薄茶で、これから紡いだ絹織物は極めて高価で、昔は貴族しか着れなかった。庭の幼虫はメスのようだし、餌のコナラやブナも沢山あるから、どしどし増やして、いつか夏羽織でもつくろうかな(笑)。

2013年6月23日

小鳥の雛が消えた

  たった今、流山の自宅から山小屋に戻って、小鳥の巣を覗いたら雛の姿が消えている。昨日の朝までは、4羽とも大きく育って、大きな声で親鳥に餌をねだっていたのに。巣立ったのではないだろう。あれでは幼すぎる。そばの壁に爪跡が無いからピーの仕業でもなさそうだ。考えられるのは、カラスだ!そう言えば一昨日、屋根の上でカラスが騒いでいた。今も近くで鳴いている。僕が小屋を空けた昨日から先ほどまでの間に雛たちを連れ去ったかと思うと残念でならない。

 こうなったからには、小鳥の種類を書いてもいいだろう。営巣したのは、「キビタキ」だ。この鳥は、夏鳥で毎年5月の中頃、南の島から日本の広葉樹林に渡って来て営巣する。雄は、上面が黒で、眉と腰、腹が鮮やかな黄色。喉はオレンジ色で翼に白斑がある。若葉の繁る梢の先で朗々と美しい声でさえずる姿は、日本の野鳥でもトップクラスに入る。
 こんな美しい鳥が、僕の目の前で、せっせと餌を運んで子育てしたのだから感激して、そして落胆した気持ちもわかってもらえると思う。


2013年6月21日

燻製づくり



風鈴のとなりでぶら下がっているのは、豚のバラ肉。今日みたいな雨の日は何処にも出かける気にならないから、小屋でベーコン作りでもするのに限る。なにしろ、これは時間がかかる料理だ。3日間塩漬けして、1〜2時間塩抜きをして、6時間風にあてて乾かし、更に5時間掛けて燻製する。3日前から漬けていた肉を、朝から調理したが、何とか焼き上がったのは夕方だった。途中工程の塩抜きと風乾を、少し端折ったせいか出来上がりはいまひとつだった。まあ、それでも市販品よりは、格段に美味いから我慢することにしよう。
 小鳥の巣といい、お肉といい、小屋の軒下に吊り下がっているものは、カラスとピーに要注意のものばかり。


2013年6月20日

小鳥の正体が判った

先日のブログで、ドアの前に営巣しているのはコサメビタキと書いたが、とんでもない間違いだった。ヒナが大きく育ち、雄も餌を運んでくるようになって、その正体が判った。本当に驚いた!今、一人で興奮している。無断で見に来る人がいるかもしれないので、巣立つまで何の種類かは言えないが、本来は山地の深い森の中に営巣する姿も鳴き声も美しい鳥だ。それが、こうしてお茶を飲みながらガラス越しにじっくり眺められるなんて信じられない。

 また、親鳥が餌を運んで来たようだ。近くの枝で親が鳴くと、今までおとなしかった雛たちが一斉に騒ぎだした。

 今日のような暗い日、部屋の中に一人でいると次第に現実感が薄れていく。

2013年6月19日

シャラの花

 枝に隠れるようして、ひっそりとシャラノキ(ナツツバキ)の花が咲いていた。シルクのような光沢のある真っ白な花弁が美しい。フリルの付いた薄い花びらから、ジューン・ブライドのドレス姿を連想した。この木は漢字で書くと「娑羅」であるが、その下で仏陀が入滅したというあの「娑羅双樹」とは無縁である。では、どうしてそんな名前を付けたかって? 本物は日本のお寺では育たないから、代わりに幅広の葉っぱが似ているこの木を植えたからかもしれない。

2013年6月15日

ヒナが孵った

先日(6月4日)のブログに書いた入口ドア前の小鳥の巣にヒナが孵った。親鳥が留守の間に、そっと覗いてみたら、ピンクの肌に薄い産毛の生えた変なのがモゾモゾしていた。どうやら3羽いるらしい。この前から、ピーもこの巣に気が付いて、何度もログの壁を這い上がって近づこうとしている。強く叱ったり、ピーの届かないところに巣を移動したりしたので、今のところ大丈夫なようだ。でも、これからヒナが餌を求めて鳴き出す頃が心配だ。もう、こんな落ち着かない日々はごめんだから、願わくは、一日も早く、元気に巣立って欲しい。これは小鳥の母親と僕の共通の願い。


2013年6月13日

今日の昼食 - Panezzaのパン -


昨日のブログに、「木の実の朝食」を書いたが、僕は仙人ではないから、ちゃんとした食事もする(することがある)。さっそく、昨日から一般販売を始めたPanezzaに行って、プレーンとオリーブのパンを買って来た。本当は、料理でも作って食べようと思っていたが、その香ばしい香りに釣られて、端の方をつまんだのがいけなかった。モチモチした食感、噛み締めると口の中に広がる小麦の香りと甘み。それにオリーブの香りと軽い塩味が調和して、美味しくてたまらない。もう少し、もう少しと薄く切っているうちに、半分近く食べてしまった。と、言う訳で、今日の昼ご飯は、料理もコーヒーも無し。

 どうしたら買えるのかという問合せが何件かあったので、下記に書いておきます。電話かメールで、角谷氏に連絡して下さい。

○ 予約や問合せは、火から金曜の午後13時から18時の間。
○ 販売は、水曜日と金曜日の午後13時から18時の間(宅配も出来るそうです)。
○ 連絡先は、" Forno a legna  panezza "   窯主 角谷 聡
                     電話: 050-5855-2669
                     メール: panezza3104@ozzio.jp



2013年6月12日

今朝の一皿

 雨の朝。乾燥しきった土がしっとりと濡れている。植物も生気を取り戻したよう。庭に出て雫に濡れながら、朝食の「食べもの」を探した。
あるある、グミ、モミジイチゴ、アブラチャン、ユスラウメ、ブルーベリー、ウメ、ラズベリー、スモモ、クサイチゴ・・・。もちろん、全部が食べられる訳ではないが、皿に盛ったら、あまりに綺麗なので写真を撮った。




2013年6月10日

コケの世界


 
 昨日は、筑波山でコケのお勉強。茨城県自然博物館が主催する自然観察会「筑波山のコケを観察しよう」の手伝に行ったのだが、実際は鵜沢先生から、コケについていろいろ教えてもらった。これまで、僕は主に樹木を観察することが多く、上ばかり見ていたが、今回は足下、それも這いつくばっての観察だ。ルーペを使って自分がダンゴムシやクマムシになったつもりで、コケの世界を覗いてみると、その多様さや美しさには息を飲む。ずっと見ていても飽きることがない。足下に、こんな美しい世界が広がっているのを見過ごしてきたのかと思うと、これまでの人生でほんの少し損をしたような気がする。写真は、銅成分を好むホンモンジゴケ。思わず触れてみたくなった。


 コケの世界に興味のある方は、博物館で16日(日)まで開催している企画展「苔ワールド展」に急いで行った方がいい。今なら、間に合う。


2013年6月7日

小屋は緑の海底に沈んで


 若葉の緑は、すっかり色濃くなって、もう、山小屋は緑の海底に沈んだよう。ほの暗い部屋の外は、風に揺らめく海藻の海。ときどき、魚の小鳥たちが鳴き交わしながら海藻の間をすり抜けて行く。
 先日のブログに書いた小鳥の巣は、どうやらコサメビタキのものらしい。近くのカツラの枝から小声の鳴き声が聞こえた。


2013年6月4日

今夜のホタル


 

 さすが「虫(6・4)の日」。今日の昼間は気温が上がったせいか、今年、最も多くゲンジボタルが見られた。この2、3年で一番かもしれない。明日からが楽しみ。
場所は?・・・山小屋の近く。 山小屋は?・・・ヒミツ(笑)。


小鳥の巣

 やぁ〜、驚いた。山小屋の入口脇にぶら下がっているフクロウの焼き物に落葉が詰まっているので覗いたら、中にいた小鳥と目が合ってしまった。彼女も、慌てて飛び出して行った。どうやら、巣の中で卵を温めていたのを驚かしてしまったようだ。「ゴメン、ゴメン」と謝って、そっとドアを閉めた。しばらくして、遠くから覗いてみたら尾羽がはみ出していたのでひと安心である。とっさの事なので、小鳥の種類は、いまのところ判らない。でも、スズメやシジュウカラなどのありふれた鳥では無さそうだ。
 おかげで、当分の間、僕とピーは、小屋の正面ドアから出入りできず、泥棒のように裏口からそっと忍び込む生活となるだろう。でも、山小屋が、森の一部だと認めてもらえたようで嬉しい。

2013年6月3日

イタリアパンが食べられる

5月20日のブログに書いたPnezzaのイタリアパンが、来週から食べられる。今日、角谷氏に会ったら、来週の12日(水)から一般販売を開始すると言う。もっとも、予約制で、週2日(水、金曜日の13時から18時)だけの限定販売であるが、それでも有り難い。先日試食してからというもの、すっかりあの固い素朴なパンの虜になってしまい、軽く炙って、刻みニンニクのオリーブ油漬けを乗せ、濃いめのコーヒーを飲みながら食べるのが、えらく気に入ってしまったからだ。
当分の間、僕はニンニク臭いかもしれないけど、どうかお許しを。