2013年12月31日

ビワの花

穏やかな大晦日。いつものように庭を散歩していて、葉陰に隠れるようにして、ビワが花をつけているのを見つけた。ビワの花は11月頃から咲き始めるのだから、ずうっと前から咲いていたのだろうが、果実に比べてあまりに地味なので気にも留めなかった。花は、バラ科らしく白い5弁の花弁で、どことなくイチゴに似ている。「葯には毛が密に生えている」そうだから、採取して観察しようとしたが、初夏にあの美味しい実が一つ無くなるかと思ったら、もったいなくて出来なかった。2月頃まで咲き続けるビワの花は、昆虫たちにとっても、冬の大切なレストランである。


2013年12月22日

羊歯は美しい

 

 久々に筑波山ファンクラブで小田の宝篋山を歩いて来た。雑木林の落葉樹は、すっかり葉を落として寒々としているというのに、ウラジロの群落のところだけ、瑞々しい緑が地面を覆っている。お正月飾りに、このシダを使うのは、冬でも美しい緑を保っているシダの生命力にあやかってのことなのだろうか。


2013年12月20日

クズで籠を編む


いつか子ども向けのワークショップで葛を使って籠を編もうと思って、友人のY氏のところで習ってきた。まずは、休耕田から葛のツルを採取することから始まる。根元を見つけて引っ張ると面白いように長いツルがとれる。二人で作業をしていると、老人たちが足を止めて怪訝そうに眺める。Y氏が「マフジを採っているんだ」というと、「ナーンだ、そうか」と納得して立ち去った。葛のツルのことを、石岡の方言で「マフジ」と言っているのだから、地元の者だと思ったのだろう。あるいは、雨の中、厄介者のクズを退治している奇特な二人と映ったか。彼らの若い頃には、このツルで柴や草を結わえたり、物を縛ったりと、暮らしのいろいろな場面に登場して親しんでいたのに違いない。
 午後から、Y氏の活動の拠点となっている小屋の中で、籠作りを教わった。黒板に書いたツルの長さの「数式」が、あまりに周囲の混沌とした世界と調和していた(笑)ので写真を撮らせてもらった。制作途中で、ツルを間違って切ってしまうなどのトラブルもあったが、何とか出来上がった「作品」は、それなりに野趣に満ちた味のあるもので、どことなく利休が好みそうな景色である(と、一人悦に入っている)。




2013年12月19日

暖かいのが大好きだ!

薪ストーブって、暖かくって、気持ちがいいなぁ〜。僕は大好きだよ!

今日も、たくさん遊んだし、お腹も一杯だ。
・・・
あぁ〜ぁ、だんだん眠くなってきた。
(ピーと僕は同じ台詞,動作)



 

2013年12月15日

岩間の悪態祭


お供えをゲットした子ども
こんこんギャラリーに寄ったら、Yさんから、岩間で悪態祭をやっていると聞いたので、さっそく向かった。この悪態祭は日本三大奇祭の一つと言われているが、僕はまだ見たことが無い。愛宕山の麓に近づいたら、三叉路の空き地に人だかりが出来ていて、誰もが、ここで何かを待っている様子だった。人々に混じってしばらくいたら、来た!来た! 白装束に身を包んで、マスクに青竹の杖をついた老人たちの群が愛宕山から下って来た。皆は、この行列を待っていたのだ。すると、あちこちから白装束の一行に向かって、「おい! おいぼれ、いつまで待たせるんだ!」、「大バカ者、もっと早く来い!」、「何をグズグズしてる!」などと罵声が上がった。白装束の一行はそれにじっと耐えながら、黙々と小祠に供え物をして、祈祷をあげている。祈祷が終わったとたんに、周りを囲んでいた人々が一斉に流れ込んだ。どうやら供え物の奪い合いを始めたようだ。この供物を奪った者はご利益があるそうで、白装束の天狗たちに悪態をつけばつくほど無病息災であるという。また、天狗たちは何を言われても、無言で耐えることが修行なのだそうだ。
 天狗さまのご一行は、こうして罵詈雑言を浴びながら幾つもの祠を回るというから、ご苦労なことだ。それにしても、悪態を言う方も、言われる方も楽しそうだったな〜。



2013年12月13日

風来里馬小屋のクッキングストーブ





 昨日、風来里馬小屋で18日の正式オープンを前に、クッキングストーブを使った料理の試食会を開くというので大喜びで参加した。僕は、この馬小屋(実際は巨大なログハウス)のオープンをずっと楽しみにしていた。なにしろ、3年前に杉の巨木を切り出すところから、皮むき、建築とずっとその過程を見て来たのだから。それに、客間にあるグリーンの美しいクッキングストーブにも関心があった。これは、本当にどれほどの実力があるのかと。
驚いた! ほとんどの料理が、これ一台で調理できるのだ。しかも、同時に。そして、どれもすごく美味しく。中央のオーブンでは、ローストポークに、焼きリンゴ、グラタンにパンを焼き、上の鉄板では、炊き込みご飯に、魴鮄のアクアパッツアを調理し、その上の棚のようなところではパンを発酵させた。やろうと思えば右側のコックを捻ればお湯も出る。もちろんストーブだから、広いログの部屋全体を、優しく暖めたのは言うまでもない。確かに、この薪ストーブは見た目が美しいだけではない。

 私たちが、楽しくおしゃべりしながら、美味しいものを次から次へといただいているというのに、外では馬たちが少なくなった牧場の草を食んでいて、ときどき恨めしそうに私たちを眺めていた。


2013年12月9日

またも、筑波山からの夜景


 昨夜、またも若い人たちと筑波山へ夜景を見にいった。展望ポイントの周辺は、ロマンチックな夜を過ごそうとしているカップルばかり。それだのに、我々は、納豆スナック菓子を齧りながら笑い転げて大騒ぎ。せっかくのムードをぶち壊していたようです。居合わせた皆さん、ごめんなさい。正面の地平線近くの灯りは東京の光、手前左側はつくば市の光です。(是非、クリックして大きな画面でご覧下さい)

2013年12月6日

X回目の誕生日


 今日もまた、一日が暮れようとしている。集落の街頭に灯がともり、車が家路を急ぐ。谷に焚き火の煙がたなびいている。最近は、このような平穏な日常の風景に魅かれる。やはり、相応に歳をとったのかな?


2013年12月5日

河童の夫婦

僕は河童の夫婦と一緒に暮らしている。今から、十年以上も前、八郷に通い始めた頃、この二人に出会った。それ以来、彼らは、ずっと自宅の机の上を住処としている。何でも、高齢のおばあちゃんが、鼻歌を歌いながら、ひょいひょいと粘土をこねて作ったものだそうだ。当時は、僕も退職するのにあたって、人並みにその後の生活に何かと不安や心配もあったが、その度に彼ら夫婦に語りかけて相談をした。すると、その愛嬌のある顔つきと暢気な表情で、「何も心配すること無いよ。本当に困ったら私らが何とかするから」と言ってくれているようで、幾度となく励まされた。実際、彼らが僕のところに来てからというもの、すべての不安や心配は杞憂に終わり、いろいろな事が良い方向へと回り始めた。
 今でも、何か良いことがあるたびに、夫の河童のハスの葉の上には木の実やお賽銭を、奥さん河童の壺の中には水を満たしてあげることにしている。また、そのとき頭の皿に水を掛けてやるのも忘れない。