2013年12月20日

クズで籠を編む


いつか子ども向けのワークショップで葛を使って籠を編もうと思って、友人のY氏のところで習ってきた。まずは、休耕田から葛のツルを採取することから始まる。根元を見つけて引っ張ると面白いように長いツルがとれる。二人で作業をしていると、老人たちが足を止めて怪訝そうに眺める。Y氏が「マフジを採っているんだ」というと、「ナーンだ、そうか」と納得して立ち去った。葛のツルのことを、石岡の方言で「マフジ」と言っているのだから、地元の者だと思ったのだろう。あるいは、雨の中、厄介者のクズを退治している奇特な二人と映ったか。彼らの若い頃には、このツルで柴や草を結わえたり、物を縛ったりと、暮らしのいろいろな場面に登場して親しんでいたのに違いない。
 午後から、Y氏の活動の拠点となっている小屋の中で、籠作りを教わった。黒板に書いたツルの長さの「数式」が、あまりに周囲の混沌とした世界と調和していた(笑)ので写真を撮らせてもらった。制作途中で、ツルを間違って切ってしまうなどのトラブルもあったが、何とか出来上がった「作品」は、それなりに野趣に満ちた味のあるもので、どことなく利休が好みそうな景色である(と、一人悦に入っている)。




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