2016年3月23日

風邪が治った

 若い頃から、決まって今頃の季節になると、重い風邪をひいて2、3日寝込む。今年もそうだった。数日前から咳がだんだんひどくなり、とうとう春分の日はベッドの中で過ごした。やっと、昨日あたりから回復したようで、今朝は午前5時半に目が覚めた。小屋の外に出てみたら、空気は暖かく、山間の集落はうっすらと霞に包まれていた。山麓の杉林や農家の屋根瓦、土手のハコベや畑の麦など目に入る全ての風景が、しっとりとしていて瑞々しい。何もかもが新鮮に映る。まだ、心地よい夢から覚めきっていない感じである。昔から風邪が回復する過程で、いつもこの感じを味わった。やっと、寒い冬が過ぎて春が訪れ、苦しかった病が治ったのを心も体も喜んでいるのかもしれない。

 足元を見たら、いつの間にか二輪草が咲いていた。この花は2年前に植えたものだが、スプリング ・エフェメラルの仲間だけに、気づいてもらえるのは今頃だけ。外側に薄い紅をさした白い花と濃い緑の葉が、今朝はとくに瑞々しく見える。




2016年3月8日

アブラチャンの花が咲いた

 昨日、今日と異常なほど暖かい。昨夜、外に出たらカエルの鳴き声が聞こえた。彼らも急に春が来たので、慌てて産卵をしたようだ。きっと、水辺に行けばたくさんの卵が見つかるだろう。
 今朝もピーと一緒に庭の木を見て回った。アブラチャンは、先週やっと硬い冬芽が緩んで艶やかな芽鱗の間から新鮮な緑の部分がわずかに覗いたかと思ったら、今日は花が咲き始めていた。葉っぱの付いていない細い枝先に、線香花火のような黄緑色の小さな花が付いている。学名の「早熟な」が意味する通り、庭の木の中で一番早く咲いた。
 アブラチャンは、花もだが果実も真ん丸なビー玉のようで可愛い。名前も可愛い。漢字で書くと油瀝青」である。これは木に油分を多く含んでいて、果実から灯し油を絞ったからだそうだ。「可愛い」と言っても、それは花と実と名前だけで、幹は多数の株立ちとなって四方に暴れる。かわいそうだったが、今年は大幅に剪定した。