2016年9月27日

宣伝:ちょっとディープな八郷案内



 僕と矢野氏の二人で、八郷を案内することになった。どうせやるなら、我々らしいちょっとディープなガイドをしようと思っている。コースは、辻を出発してを菖蒲沢の薬師堂を経て、龍神峠から上青柳へ下り、古民家を見学してから中世の古戦場を通って小幡の「ゆりの郷温泉」まで歩く。このコースは、八郷の中でも、最も「やさと」らしいところで、美しい風景と変化に富んだ地形、豊かな歴史や文化の地域である。少々、大げさに言ったら「隠れ里訪問」である。(僕の『木守小屋』もここを舞台にしている)。
 何でも、まだ、空席があるらしいので、興味がある方は、急いで石岡市政策企画課まで申し込んで欲しい。日時や要領は下記の通り。
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日時: 10月2日(日) 午前8時15分〜午後1時
集合: 朝日里山学校
参加費: 無料
申し込み受付: 石岡市役所 政策企画課 0299-23-1111
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追記:つくば方面の方は、つくば駅午前8時発の『やさとフルーツ号』に乗車して、「辻バス停」で下車すれば、良いかも。そうすれば、終わった後、「ゆりの郷」で温泉に入って、お酒が飲める(笑)。


2016年9月15日

梢の間に月が見えた


生飯(サバ)の作法




 曹洞宗などの坐禅道場で行われる「生飯(サバ)の作法」を真似て、庭の石の上に、食べ物を供えることがある。僕は、この作法の精神に深く共感して、格好良いと思うからだ。
 禅僧は、食事の際に、「汝等鬼神衆 我今施汝供 此食遍十方 一切鬼神共」と偈(短い詩)を唱えながら自分の椀からご飯つぶを取り分け、それを配膳係が集めて、境内の片隅にある「生飯台(サバダイ)」の上に供える。偈の意味は、おおよそ「鬼神たちよ、私は今あなた方に食事を供養する。この食事が、あまねくすべての尊きいのちたちに届かんことを!」というものである。この際の「鬼神」とは、目に見えぬ鬼神衆、有縁無縁の諸霊、そしてこの世の動物や小鳥、昆虫や蟻などの目に見える生きものたちのことだ。まあ、簡単言えば、「この世で共に生活している(=繋がっている=縁起)目に見えない存在から目に見える命(いのち)のすべての者よ! これも縁だから一緒に飯を食おうじゃないか!」ということだ。

 夜中に目が覚めて、今頃、僕が供えた生飯台には、一体何が来ているかを想像するのは楽しい。コオロギかキリギリスか、それとも恐ろしい姿をした鬼神たちか、亡霊か(笑)?
朝起きて、食べた跡を見つけるとなおさらである。




2016年9月9日

流山を散歩して



 いつもは、流山の自宅に帰ると家内から言いつけられた仕事を大急ぎで片付けて、逃げ帰るようにして八郷の山小屋に戻るのだが、昨日は、多少時間ができたので、近くの『TX おおたかの森駅』周辺まで散歩した。しかし、その周辺の変貌ぶりには、まったく驚かせられた。昔といっても十数年前ことだが、当時の面影はまったく無い。以前、不気味なほど暗い林だったところが、今は、どの辺だかわからない。裏に大きな樫の木の屋敷林を背負った農家はどこかに消えて、広大なぶどう畑だったと思われるところには、街路樹が茂る太い道路が横切り、その両側には高層のマンション群やショッピングセンター、クリニックなどのビルが林立している。その「オシャレな」石畳の上を、綺麗な若い女性たちが着飾って歩いている。可愛い子供達が、追いかけっこしながら通りすぎる。ショッピングセンターに入ると、色鮮やかな商品の山や美味しそうな食べ物のショウウインドウが眩しい。・・・唖然とした。いつの間にか、僕は「浦島太郎」になってしまったらしい。異邦人の気分である。

 そこで、この光景を眺めながら、ふと、中国の弾圧からフランスに逃げたあるチベット仏教の高僧の話を思い出した。高僧は、通り過ぎるパリの街をタクシーの窓から眺めながら思った。「もしかすると、これが仏教でいう『天上界』なのではないか。人々はみな美しく、清らかに見える。まるで『天人』のようだ。しかし、よく見ると、どこか寂しげで不安を抱えているようだ。どうやら、いつ、突然に、この幸福な状態が壊れて、餓鬼や阿修羅、人間、畜生に生まれ変わるかもしれないという心配で心がいっぱいなのかもしれない。やはり、自分は人間でよかった。」と。

 僕も、やはり田舎人で、良かったと思った。





2016年9月4日

タマゴタケを見つけた

 いつもの定例観察会で筑波山の山麓をめぐってきた。秋の花はこれからだったが、森のいたるところにキノコが出ていた。濡れた落ち葉を押し分けるようにして、黄色いのや白いの、灰色なのが姿を現している。きっと、今年の夏は雨が少なかったので、じっと我慢していたところに、先週の大雨で一斉に発生したようだ。
 落葉樹の森に少しばかり足を踏み入れたら、ミズナラの根元に真っ赤なキノコが群れをなして生えているのを見つけた。もしやと思って近づくと、大当たりだった。そう!タマゴタケである。そばに、白い球形の幼菌もある。摘んでみると弾力があり、とてもキノコとは思えない。まるで、爬虫類の卵である。やがて、その「殻」を突き破って、真っ赤な「傘」が現れる。成長すると直径10cmにもなるが、顔をのぞかせたばかりのキノコは、たまらなく可愛い。
 色は黄色味を帯びた赤で実に美しい。が、きっと初めて見る人は、猛毒のキノコだと思うだろう。しかし、食用になって、しかも極めて美味である。ヨーロッパでは、「カエサル(シーザー)のキノコ」といって、とても珍重される。今夜は、このタマゴタケが僕の夕食のおかずである。ホイル焼きにしようか? スープにしようか? カルボナーラもうまそうだ・・・バターと相そうだ。

 注)もし、今後、このブログの更新が無かったら、「猛毒」のベニテングダケと間違えたと思ってほしい(笑)。