2009年5月28日

雨の小屋ほか


 朝から雨。雨の山小屋も悪くない。静かだ。庭の木々はしっとり濡れて、その下でカエルが思い出したかのように一声鳴く。窓の外は、シャリンバイの白い花。僕は、小屋の長椅子に座って、コーヒーを飲みながら、CDを聞いている。流れているのは、Keith Jarrettの「STAIRCASE」。この曲を小屋のイメージソングだと、勝手に決めている。

 雨が小降りになったので、庭に出た。柿の木のところまでくると、突然、足元からメスのキジが飛び立った。すごく驚いた。彼女も相当に驚いたとみえて、悲鳴のような鳴き声を上げて、いったんは数メートル先まで飛んだが、また、地上に降りて僕を威嚇する。低いくぐもった声にシューシューというような荒い息づかいが混じっている。「ごめん、ごめん! 悪気が無かったのだから許してよ」といいながら後ずさりしても、僕についてきて離れない。卵でも抱いていたのだろうか。

 昨日の午後、近くに住んでいる陶芸家のIさんご夫婦が小屋に来た。一緒に軽いランチを食べた後、山道を歩いて、モミジイチゴとナワシロイチゴの実を摘んだ。モミジイチゴは、甘酸っぱくて美味しい。日本の木苺の中では、一番だと思う。それに、透明感のある黄色が実に美しい。今は、木苺の季節なのだ。

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