2010年3月31日

昔話のような

朝、庭を見ていたら、小屋の脇の山道を3人のお年寄りが歩いている。皆、竹や木の杖をついて、古風なリックを背負っている。近頃、こんな格好の集団 を見ることはめったに無い。どこに行くのかと聞いたら、椿峠を越えて山向こうの団子石集落まで行くのだという。この山道は、「赤坂」という名で、中世に小田の軍勢 が戦で通った道だと話したら、僕が地元の歴史に興味を持っていると見たのだろう。その内の一人が、自分たちは近くのS集落の者で、祖先は小田の家臣であっ たという。そして、S集落には石仏や石碑など当時のものと思われる遺跡がたくさん残っていて、その中の変わった形をした石碑には文字 が刻まれているので来て読んで欲しいというのだ。それに、とてつもなく古いお面もあるとも言っていた。他の一人は、かつて集落のとある場所を掘ったら、玉砂利が沢山出て きて、その中から大量の古銭や刀、そして首切り矢じりが出土したという。確かに、八郷は、中世の頃の山城や砦がたくさんあり、僕の小屋の近くにも有名な古戦 場がある。もっと話を聞きたかったが、これから峠を越えるというので長く引き止める訳にはいかないので、後日に会うことを約束して3人と別れた。八郷は、 こんな時代を超越した不思議なところでもある。

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