2010年12月22日

「100年前の女の子」

 夕べの激しい雨も上がった。ピーは、本立ての上で居眠り。早朝5時から起きて小屋の中を飛び回っていたので、眠くなったのだろう。
僕は、先週自宅に帰った際に買ってきた船曵由美著の「100年前の女の子」(講談社 2010年)を、先ほど読み終えた。これは著者の母親が、100年前に栃木県足利の田舎で生まれ少女時代を過ごした記録である。北関東の四季おりおりの農村の暮らしや人々の風俗、それらを優しく包む自然と動物との交流、そして幼くして養女に出された時の辛くて哀しい思い出などが、平易な言葉で詩情豊かに綴られている。僕も、その近くの館林に生まれた。読んでいて、何度も遠い昔の出来事や、もうこの世にいない人々を思い出して、目頭を熱くした。どこかの書評に「新しい遠野物語の誕生」とあったが、本当にそう思う。それにしても、昔の生活は厳しくて貧しかったが、何と精神的に豊かだったのだろう。この本を読んで、私たちは、この100年間に何を得て何を失ったのかを考えさせられた。

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