2012年9月30日

カッコいい歳のとり方

 自分では、あまりその意識は無いのだが、一応は物理的に還暦を過ぎていて、いずれその時が来るのだから、「カッコいい歳のとり方とは?」と考える事がごく稀にある。先日、BSの旅番組で、イタリアの田舎によくある旧い石畳と石造りの建物に囲まれた街角が映っていた。石壁に背を持たせて、数人の老人が、何やら楽しそうに話しながら通りを見ている。皆、ヒゲを蓄えオシャレで威厳がある。アナウンサーが、その中の一人に、何をしているのかと聞いたら、「今、皆で精神修行をやっているのだ」と答えが返ってきた。続けて、どんな修行かと聞いたら、皆で道を行き交う女性の美しさを評価しているのだと。あれは、中の上だとか、上の下とかと。さすが、イタリアである。彼らの姿が、実に様になっていた。
 もう一つは、どこだか忘れたが、その町では、多数の老人男性が集会所みたいな所に集まって、自分たちだけで凝った料理を作り、食材やお酒に蘊蓄を傾けながら会食していた。皆、実に楽しそうに料理している。何と! 週に3回もこうした会を催すそうだ。アナウンサーが、なぜ奥さんと一緒ではないのかと聞いたら、彼らも笑いながら、ずっと一緒だったから、たまには解放を許してもらっていると答えていた。この明るさ、軽さ、屈託の無さは、実にカッコいい。ヨーロッパの老人は、カッコいい歳のとり方を知っている。

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