2013年3月21日

シダレザクラ/幾百年に続く初めての年

  山小屋も今年で10年目。そのときに植えたものばかりでは無いが、初めて花を咲かせたり、今年たくさんの花を付けた草木がいくつもある。その中には、何の種類だったか忘れてしまったものもある。梅か、スモモか、プラムか、それともアンズだったか思い出せない。ともかく、もう少し経って、果実を見ればわかるだろう。
 小鳥が種を運んできて勝手に芽生えたコブシも、今年初めて一輪だけ花を付けた。他に、福寿草、クリスマスローズ、スイセンも、例年に無くたくさんの見事な花を咲かせた。

最も感動したのは、3年ぐらい前、友人のS氏が福島県三春町に行った際に買ってきてくれたシダレザクラである。確か、これは有名な滝桜を培養した苗だ。それが、ぐんぐん大きく育って、今年初めて花を咲かせたのだ。赤みのある清楚な花弁に、萼の部分がぷっくらと膨らんだエドヒガン系のベニシダレザクラである。庭には、他にも何種類かのサクラがあるが、この木が一番先に咲き出した。これから先、何百年も、毎年、この季節になると咲いてくれると思うと嬉しくてたまらない。やがて、僕もピーもこの世から消え去り、小屋も朽ち果てて跡形も無くなっても、毎年、この季節になると、八郷の山の中でシダレザクラの巨木が無数の花を咲かせているなんて、実に素晴らしいではないか。さて、花に何を託すかは、これからじっくり考えることにする。


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