眺望が欲しい
雑木林の中に埋もれて世間から隠れるようにひっそりと建っている小屋を理想として目指して来たが、このごろ眺めが良い、気持ちが晴ればれするようなお宅を訪問する機会が増えて来たら、少し気持ちがぐらついてきてしまった。まったく情けない。先日訪れたOさん、Fさん宅も、尾根筋の高台にあって素晴らしい眺望である。今日訪れたYさんのお宅などは、一階、二階ともに北面と東面がすべて透明ガラスの大きな窓で、部屋の何処からも八郷盆地の半分が眺められる。まるで、窓枠で切り取られた絵画のようだ。冬の低い太陽が、裾野の集落と加波山から難台山へかけての山肌を照らしている。落ちかけた陽に赤く染まっているのは杉や檜の森、一見暖かそうに灰褐色に煙っているのは落葉樹の林・・・。二階の展望台に立ったら、空中に浮遊しているよう。
引っ越したいが、そうも簡単にいかないから、せめて、セッセと山に登って、高いところから八郷盆地を眺めることにしよう。
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