2014年8月31日

仙人への修行

 


たびたび僕におこる偶然の出来事について知りたくて、心理学者のC・G・ユングの共時性原理の本を読んでいたら、彼とR・ヴィルヘルム著の『黄金の華の秘密』という本と出会った。これには、『太乙金華宗旨』と『慧命経』が収められている。『太乙金華宗旨』は、少なくとも8世紀以前に遡る秘密の教義であり、一口に言えば道教の瞑想法のテキストである。これに従って真剣に鍛錬すれば、仙人にもなれるらしい(笑)。もともと、こういうのは嫌いではないが、読み進んでいくうちに、面白くなってどんどん引き込まれて、昨夜などは途中で止めて寝るのが惜しいくらいだった。前半のユングによる「ユーロッパの読者のための注解」などは、欧米のキリスト教的な合理主義がもたらす危険性を鋭く指摘していて、思わず膝を叩いた。まさに現代的な問題である。今朝からは、いよいよ本編の秘教的な教義の部分に入る。「聞くは千劫に逢い難く、受くるは一時の法会なり」とあるから、心して向かわなければならない。
 朝から、主人が仙人になろうと張り切っているというのに、ピーのやつ、物置の庇の上で気持ち良さそうに寝ている。あいつにとっては、無意識も共時性も秘密の瞑想法もどうでもよいことなのだろう。のんきなやつだ。

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