2019年9月7日

歩崎で抹茶を飲む

 
 今日は空が澄んで雲を見るのに相応しい天気だ。いつものように歩崎に行った。時間はたっぷりある。そこで、かすみがうら市の『あゆみ庵』で抹茶をいただくことにした。
 迎えてくれたのは3人のお婆さん。その内の一人は90歳だと言う。客は僕一人だけ。端正な薄茶用の部屋はひっそりと静まっている。窓からは茶室を囲む木々の緑が見える。床の間の掛け軸は元大徳寺管長の「喫茶去」の書。花は秋の野菊とワレモコウ。部屋の澄みきった空気を深く吸い込んだ。茶菓子をいただき、お薄を飲んだら、朝からしつこかった偏頭痛もすっかり忘れた。

 お婆さんによると、30年も前から、ここでお茶を点てていると言う。最近は、来客がめっきり減ってしまい、今は土、日曜だけ開けているそうだ。お菓子代200円で、こんな静謐な時間をたっぷり与えてくれる場所なんて、他にそうあるものではないのに。




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