2021年6月24日

小判石とお爺ちゃん

フルーツラインの吉生を走っていて、この辺の小さな社に天然記念物の「小判石」すなわち「球状花崗岩」の石碑(写真)があったのを思い出した。10年以上前に見たことある。まだ、雨も降りそうも無いので訪ねることにした。
 

 やっと、それらしい神社を見つけたが、「小判石」は見当たらない。隣のキューイ畑で作業していたお爺ちゃんに聞いたら教えてくれた。村の人たちが立派なお堂を作って、その中に鎮座していたのだ。安心した。村人によって厳重に守られていたのだ。

 お爺ちゃんは、この石にまつわる様々な出来事、かつて行われていた祭や年中行事、そして、この土地の歴史や祖先の話。自分が若い頃の話。さらに近くの森の中の祠への案内と1時間以上も付き合ってくれた。話はどれも実に興味深いものばかりで、初めて耳にするものばかりだった。録音してなかったのが悔やまれる。お爺ちゃんの年齢は、何と92歳だという。もう、この土地の記憶は消え去る寸前なのだろう。今では聞いてくれる人は誰もいないと寂しそうにしていた。
 お爺ちゃんの話を聞いて、目を上げるとあたりの景色は一変した。
お堂の前の農道は、昔は八郷から笠間に続く主要道路であり、武士や僧侶、旅人、地元民が行き交った道である。徳一も親鸞も布教で歩いたかも知れない。その向こう側の草地には、大きな仏教寺院があり、隣には古墳(宮下古墳群)があったという。案内してくれた森の中の祠には、「秘密のもの」が大切に祀ってあった。何だかは教えられない(笑)。

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