普段の僕は、山小屋にやって来た虫には寛大な方で、その精妙な身体の作りや色彩をじっくり観察したあと名前を調べたりして、しばらくの間遊び相手になってもらっている。虫は、良き暇つぶしの相手であり、長い夜の慰めでもある。しかし、ムカデは別だ。第一、ムカデは昆虫では無い。蛇蝎の輩だ。昔、田舎の古い屋敷に住んでいた頃、家人が寝静まって物音が消えた真夜中、シャワシャワと寝室の襖を歩き回るムカデの足音を、今でもはっきり覚えている。寂しいような、恐ろしい音である。そんな訳で、足を数えたり写真を撮る余裕など、まったく無かったから、今日は文字だけのブログです。
0 件のコメント:
コメントを投稿