2010年1月8日

シュロに西日が


 西側のヒノキ林の中に、シュロの若木が生えている。ヒヨドリでも種子を運んだのが芽生えたのだろう。それに、午後の西日が射して美しい。いそいでカメラを持ち出して写した。
 シュロは、東北地方まで分布している日本で唯一のヤシ科の植物である。お世話になったH先生から聞いた話だが、インドネシアの植物園の職員が、「日本にはヤシはないだろう」と言ったので、「いや、どこの藪でも生えている」と答えたら、相手がびっくりしたそうである。確かに、田舎では、屋敷の裏や隅に必ずといっていいほど一本はある。これは、シュロの皮が、たいへん腐れ難いので、縄や筵に加工したり、そのままで水を濾すのに使ったからである。そういえば、葉と葉柄を使って箒やハエ叩きも作った。こうしたさまざまな生活用品の素材として、竹などと並んで有用な植物なのである。それに、この植物はきわめて強靭である。日当たりでも日陰でも場所を選ばずに生育するし、火災にもめっぽう強い。昔、火事で何もかも焼けてしまったお宅で、一番先に芽吹いた木はシュロであったのを見たことがある。こんなことも、好んで屋敷に植えられた理由だろうか。

 ピーのやつ、一日中、庭を駆け回って遊んでいたので疲れたのか、夕方から寝てばかり。おかげで、ブログの更新も楽だ。

2 件のコメント:

malco さんのコメント...

シュロは東北まで分布するんですか。
南国的なイメージと違和感がありますが、
この辺りでもよく林の中にあって、冬でも青々としていますね。
これだけ多いのは有用な植物だという理由もあるんですね。
このブログはほんと、勉強になります♪

RAMUNOS さんのコメント...
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