2010年1月21日

常緑樹の芽生え


 この時期になると、庭は、枯れ草を敷き詰めたようになる。その中でこそ気がつく植物がある。常緑樹の芽生えだ。厚ぼったい濃緑の葉で縁が波打っている。何処かで見たことのある葉だと思ったらヤブコウジ科のマンリョウだった。これは、お正月頃、花屋の店先などで寄せ植えの鉢をよく見かける真っ赤な実をたくさんぶら下げた植物だ。あたりをよく見るとあちこちに生えている。西の暗いヒノキ林の中には、実を付けた大きい株まであった。きっと、ヒヨドリなどの野鳥が、果実を食べて、お土産に落としていった種子が芽生えたのだろう。この木は、関東より西に分布している低木だが、八郷でも生育するようだ。この木と、センリョウ、それにアカネ科のアリドオシをセットで植えておくと、「千両、万両、有り通し」として大層なお金持ちになるそうだが、2年前に、ぼくが、せっかく植えたアリドオシは、いつの間にか消えて無くなってしまった。まことに象徴的である。
 また、根元にシラカシの幼木が2,3本まとまって生えている木が何本かある。これも、はじめは野鳥のプレゼントかと思ったが、生えている場所で気が付いた。一昨年の春に植えた木ばかりに生えている。そうだ、これは、ぼくが木を植えた時に入れた腐葉土にドングリが混じっていたのに違いない。それが発芽したのだ。庭に次々と出現する植物の由来を推理するのが楽しみになってきた。

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