2010年9月28日

さよなら!流山の林よ。


流山の自宅で朝寝坊していたら、前の林の方から大きな音が聞こえる。とうとう、宅地開発が始まったようだ。窓から見たら、大きなフォークリフトが林に入って、木を倒している。みるみる間に、コブシの大木を根こそぎにした。この木は、真っ白な花をたくさん咲かせて他のどの木よりも春の到来を知らせてくれた。重機は、隣のヤマザクラにも手をかけた。ギギー、バリバリと悲鳴が聞こえる。林が消えてゆくのを見届けてやろうと、しばらくその様子を見ていたが、寂しくなってきてカーテンを閉めた。この林は、まだ僕が若かった頃、幼い息子と妻との三人で、この地に家を建てた時からあって、植物の好きな僕は大喜びした。この林があったから、この地に越してきたようなものだ。それから、ずっと30年間、家族は林と一緒に生活してきた。いつでも、家の窓には、林の緑の影がうっすらと映っていた。朝になると、林に棲む小鳥の鳴き声で目が覚めた。小さい頃の息子の遊び場だった。仕事で疲れたとき、この林にどんなに慰められたことか。
それが、今日かぎりで消滅するのだ。さよなら、林の木々よ!

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