2010年9月29日

西光院にて

来月から始まる「筑波山の自然展」の現地打ち合わせに、朝からでかけた。その帰り、ふと、峰寺西光院に寄りたくなった。ここは天台宗の古刹だ。山の中腹の崖上に懸崖造りの本堂があって、眼下に八郷の南半分が眺められる。平日の午後なので、誰もいない。聞こえるのは、森の木々を渡る風と鳥たちの鳴き交わす声だけ。開けた空には、雲が足早に流れてゆく。本堂の前で柱を背にして座り、盆地を曲がりくねって流れる川筋とその両側に広がる稲田を目で追ったり、山小屋のある山腹や顔見知りの集落と道路を探した。「あの山並みの向こうには広々と関東平野が続いていて、そこではいろいろあったな〜」などと感慨に耽っていたら、そのうちに、だんだん眠くなってきた。いつの間にか、居眠りしたのだろう。風が近くにある椎の枝を揺らす音で、はっと目が覚めた。何か夢を見ていたようだが思い出せない。でも、すっかり落ち着いて、静穏な満ち足りた気分になっていた。これからも、気持ちがざわめくときは、ここに来て座ろうと思う。


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