2011年2月4日

春立ちぬ

ピーと庭で遊んでいると、小屋の脇の山道で人の声がする。誰だろうとのぞいてみると、中高年のハイカー20人ほどが一団となって峠から降りて来た。やっと開けた場所に出て、みなホッとしている様子で、折からのさわやかな風に吹かれて、誰かが「清々しいね〜!」と声をあげた。本当に、今日は暖かい。僕も、この陽気に誘われて散歩でもしようかという気分になって、集落の奥へ向かった。すると、小高い丘の周辺で、若い人たちが何かしている。どうやら、昨年に引きづづいて今年も美大の学生たちが、竹でオブジェを制作しているらしい。あぜ道を通って近づいてみると、一人の女子大生が、竹の風車を田んぼの中に懸命に設置している。聞いたら、明日からの公開で最後の追い込みだという。今年のテーマは「風」だそうだ。その周りでは、太い竹に穴を開けたのが何本も田んぼに刺さっていたり、たくさんの風車が、時折吹く風を受けて回っている。高台の上では、女子大生が二人、脚立に登って竹の巨大なオブジェと格闘している。
その竹を組み合わせた造形の間からは、尖った筑波山を背景にして暖かな日差しをあびた集落が見えた。そういえば、今日は2月4日、「立春」だ。もう「春」になったのだ。皆、野外を楽しんでいる。

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