2011年1月24日

トラツグミ

たぶん、ピーからのプレゼントだと思う。朝、出かけようとして入り口のドアを開けたら、足下にトラツグミの死体が転がっていた。もう冷たくなっていたから、狩りをしたのは昨日だろう。名前の通り、全身が黒と黄色の斑点に覆われて美しい。この鳥が見られるとすれば、夕方や曇りの日の暗い林の下などであるが、滅多な事では出合わない。むしろ、姿よりも、鳴き声の方が有名だ。真夜中や明けがたの暗い森の奥から「ヒュ〜〜、ヒョ〜〜〜」と、ひどく寂しくて、かぼそい泣き声が聞こえて来たなら、その主はこの鳥だ。聞きようによっては、不幸な死をむかえた人の悲しみと恨みの声のようにも聞こえる。昔の人も、この正体不明の声をたいへん恐れたようだ。平安時代の末期、京都の紫宸殿の屋根の上で夜な夜な怪しい鳴き声を立てた妖怪の鵺(ぬえ)の正体は、このトラツグミだという。僕としては、ピーの贈り物は嬉しいが、本当は、この鳴き声を山小屋で聞きたかったのだが。

1 件のコメント:

RAMUNOS さんのコメント...

そうそう、このトラツグミ。今、山小屋の冷凍室で眠っています。誰か、欲しい人いますか?