2012年5月11日

師付の田井


昨日、Hさんのところへ行って稲苗を受け取って来た。今年も、おばあちゃんが、丹誠込めて育ててくれたので、丈夫な苗に仕上がった。いよいよ、明日、100人もの参加者で田植えする。
この苗が育った「かすみがうら市志筑」は、由緒ある場所だ。何しろ、万葉集で詠われている「師付の田井」は、ここだと考えられている。恋瀬川に沿って農道をしばらく進むと、田んぼの真ん中に案内板があり、水の湧いている井戸と小さな祠、そして石碑がある。遠くに龍神山や八郷の山々が望める。周囲は田植えの終わった一面の田んぼだけ。人の気配は全くない。もしかすると、この風景は千3百年前とたいして変わっていないのかもしれない。もっとも、雁がねは、もう滅多なことでは関東地方ではお目にかかれないが。
写真をクリックすれば歌が読めるので、虫麻呂の弧愁を感じて欲しい。
次に案内板で紹介されている鎌倉時代の歌「志筑嶺の、山かきけむるさみだれの、しずくの田井にさなえとるなり」は、あまりに我々の光景とピッタり同じなので思わず笑ってしまった。

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