2012年5月14日

常陸太田へ

うららかな春の日。友人たちと常陸太田へフジとクマガイソウの花を見に行って来た。クマガイソウは、すでに盛りを過ぎていたが、その見事な群落に感動した。中世の頃、お堀だったという斜面にびっしりと生えている。そこの主人が、木漏れ日、湿り気、土質そして地形が繁殖に適していたからだろうと、心から嬉しそうに誇らしげに説明してくれた。
 お隣のフジの大木のある家のおばあちゃんといい、住んでいる方々の表情が実に良いのだ。歴史豊かな静かな山間で、穏やかに暮らしていると、人は誰でもあのような顔つきや人柄になるのだろうか?もしそうだとすると、本当に豊かな暮らしとは、こういうところにあるのかもしれない。
 帰りに、国宝の佐竹寺を訪れた。ここは、寛和元年(984年)に花山天皇の勅願によって開山され、その後、長い間、佐竹氏一族の祈願所だったところだ。現在のお堂は天文15年(1546年)に佐竹善昭のよって再建されたもので、茅葺屋根寄棟造りの重厚なつくりである。お堂の前に立つとその存在感に圧倒され、改めて「あぁ〜! ここが佐竹一族の出自の地なのだ」と思った。
左上の写真は、鯨が丘の板谷坂で、道は古街道の一つである。まっすぐな急坂のある風景は、独特な雰囲気を持っていて、一度眺めたら忘れることは無いだろう。


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