2012年9月7日

オガタマノキの巨木

またも、霞ヶ浦に沿って南下し佐原まで行った。水運で繁栄した江戸時代の面影が残っているかもしれないと思ったのだ。しかし、佐原はすっかり観光地化していて、少しも面白くなかった。どこにでもある「町おこし」が鼻についく。代わりに、出島の柏崎にある素鵞神社の境内で、オガタマノキの巨木を見つけたのが嬉しかった。こんな大きなのは初めてだ。オガタマノキは、天照大神が天岩戸に隠れてたとき、その前で天鈿女命が、裸で踊ったときに手にしていたといわれる木である。神聖な木としてよく神社などにも植えられている。もともと、オガタマノキ(招霊木、モクレン科)は関東中南部から西日本にかけての暖かな海岸地方に多く分布している木だから、この地でこんなに立派な大木に育っているということは、ここが温暖な土地である証拠だろう。岬の先端の高台に生えているこの木は、ずっと昔から霞ヶ浦に行き交う船の安全を見守りながら育ってきたのにちがいない。



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