2012年10月14日

ヨメナかユウガギクか?


  萩が終わって、今頃の庭を飾るのキク科の植物だ。入口の道路に沿って白い花が一面に咲いている。キクの種類を見分けるのは難しい。ずっと、カントウヨメナだと思っていたが、道路脇にかがみ込んで見れば見るほど、そう断定する自信が揺らいでしまった。図鑑に、ユウガギクは、「葉がヨメナより薄く、しばしば羽状中裂」とある。確かに、葉っぱの切れ込みが深い。
 万葉集にある「春日野に煙立つ見ゆ少女らし春日のうはぎ採みて煮らしも」の「うはぎ」は、ヨメナの古名である。古くから、春先に、若葉をつんで食用とした。もっとも、これは、西日本に分布するヨメナを歌ったもので、東日本のは、このヨメナとユウガギクの中間型(カントウヨメナ)というから、どうりで判別が難しいはずだ。
 G先生の本によると、「ゆでて刻み、塩味と共に熱いご飯にまぜ、独特の風味を楽しむ」とあるから、来年の春まで忘れていなかったら試してみよう。食べるぶんには、どちらでも同じだろう。



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