2012年10月7日

刺激的な一日


今日は、ひどく刺激的な一日だった。まず朝7時半から9時まで、筑波山麓の山寺で座禅をして過ごし、午後は武蔵美の学生たちと八郷盆地を巡った。八郷は、もの作りの人たちが多く住む所だ。陶芸、絵画、書、工芸、木工、染色などなど、様々な分野で活躍している。今日の学生たちは建築科である。そこで、是非とも I 先生のお宅を訪問しようと思った。なにしろ、そのお宅は、I 先生が自ら設計し、ご夫婦だけで建設しているのだ。全体計画は20年であるが、8年目にあたる現在は、母屋だけが完成している。今年度の環境建築部門の最優秀賞を受賞しただけあって、その完成度は「すごい!」の一言だ。さらに驚嘆するのは、屋根葺きと漆喰壁を除いて、基礎も構造もOMも、内装も家具も、すべてをご夫婦二人だけで作ったのだ。もう、セルフビルドなどと軽々しい言葉は使えない。建物の内部も案内して頂いた。ここでも、また、驚きが私たちを待ち受けていた。それが何なのかは、長くなるので次の機会に。

 八郷の山々が望めるデッキの上で、I 先生が図面や写真を広げ、学生たちは目を輝かせて、先生のレクチャーに聞き入っている。そんな姿を見ると、まるで大学の講義のようで、思わず微笑んでしまった。一人の学生にどうだったと聞いたら、「もう、大学の講義以上の素晴らしさで感激です」と答えていた。当たり前である。ここは、先生が、自分の思想に基づいて、自ら制作した「作品」の現場なのだから。


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