2012年12月29日

神話の現場


 先日の朝日デジタルにピアニストの斉藤美香さんが、今月の初め陣場山の山頂近くで撮影した不思議な森の写真が掲載されていた。
斉藤さんは、「鳥肌が立つほど美しい色でした。近寄ってみると、その虹の輪は二重に見え、大きくなった」と言っていた。そうだろう。もし、僕がこんな光景に遭遇したら、なにものかを畏れて、地面にひれ伏してしまうかもしれない。
 記事では、山頂などに発生するブロッケン現象だとあった(本当かな?)。ブロッケンだとすると、森の中とは珍しい。この現象は、ドイツのブロッケン山でよく見られた事からこの名前がついた。「ブロッケンの妖怪」とも言われる。日本では、ご来迎、後光(御光)とも呼ばれて、阿弥陀如来が空中住位の姿で現れたものとされている。そのせいか、昔から、槍ヶ岳、剣岳など、この現象がよく現れる山は、山岳宗教で有名になっている。実は、昔のむかし、僕も苗場山でこれを目撃した事がある。激しい雷雨の後、突如、雲間から射し込んだ陽の光が、何かの影を空中の雲に投影したのだ。その姿は、とてつもなく巨大で、二重の虹の輪が周りを取り巻いていた。そのときの驚きと感動は今でも忘れられない。すぐ近くの筑波山でも、稀に出現することがあるそうだから、ご縁のある方は出会えるかもしれない。妖怪か阿弥陀さまかは知らないが。


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