2013年1月7日

蔵風得水の地

八郷盆地(山根盆地)
この正月は、笠間の図書館で借りてきた数冊の本を読んで過ごした。そのうちの『異界談義』(国立歴史民俗博物館編2002年)の第4章 「おに」の来ない鬼門(鈴木一馨)の中に四世紀以前の古代中国の風水である「蔵風得水」の思想が説明されていた。これは、中国や日本、韓国の風水の原型といえるもので、今でも中国では重要とされているそうだ。その意味するところは「風を蔵(おさ)めて水を得る」地形である。すなわち、竃型の地形で、「山から吹いてくる風が、谷間を適当な湿度に保ち、生活用水もある」という、最も生活に適した土地のことである。また、中国に古くからある元気説の理論では、「蔵風得水の地というのは、人にとって良い影響を及ぼす氣、つまり「良氣」が溜まって、悪い影響を及ぼす氣、すなわち「悪氣」が、川の流れとともに去っていく」という優れた土地のことをいうのだそうだ。
山小屋のある谷
僕は、スピリチュアルの方面には疎いが、地元集落の老人たちが「ここは特別な場所で、ここに住めば、幸せに長生きできる」と言っていたのを思い出した。また、僕も十年間住んでいて、落ち着いて過ごせる良い土地だという思いをますます強くしている。この正月、この「蔵風得水」という言葉と出会って、その理由が、少し判ったような気がする。改めて、グーグル・アースで、八郷盆地(正確には山根盆地)と、山小屋のある谷を眺めて見ると、まさに竃形の地形をしているではないか。しかも、背後には霊山の筑波山がそびえている。ここは、本当に「蔵風得水」の地なのかもしれない。(お正月らしい話題でしょう)




0 件のコメント: