小屋の庭でキツネを見かけて以来、「こんこんギャラリー」のO氏と八郷のキツネについて情報交換してきた。昨日、そのO氏から、大増にキツネの死骸があるという電話をいただいた。驚きである。これまでは目撃情報ばかりだったが、今度は実物である。早速、今朝早く、現場に行ってみた。巨大な椎の木のある小さな神社のはずれで、キツネは固くなって横たわっていた。朝霧に濡れて毛並みが乱れているものの外傷は見当たらない。綺麗な個体である。さすがは野生の動物、死体でも精悍さが漂っている。よく見ると前左足の肘から下が無い。たぶん、トラばさみのような罠に掛かってもぎ取られたのだろう。でも、傷口は古く固まっていた。これまで3本足で懸命に生きて、今年の冬も乗り越えたのだが、つい2、3日前に、とうとう力が尽きてここで果てたのかもしれない。
可哀想に思って、一旦は、椎の根元に埋めてやろうかと穴を掘ったが、途中で、八郷の野山にキツネが生きていた事実を確実に残すために、県自然博物館に持ち込むことを思いついた。今頃は、博物館の冷凍庫の中で眠っている。キツネが瀕死でたどり着いた神社の境内に埋葬してやれなかったのが、すこし気がかりだが、許して貰えるだろう。
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