先日から入口にあるブナの若葉が、何者かに喰われていると思っていたら、今日、その犯人を発見した。ヤママユガの幼虫である。体長が8cmもあって、のっしのっしとブナの小枝を登っていた。梅空の雲間から射しこんだ日の光を浴びて、全身が透き通るようなグリーンに輝いている。大切なブナの若木を食い荒らされては、とも思ったが、幼虫が、あまりに立派で美しいので、このままそっとして置くことにした。この幼虫は終齢幼虫のようだから、間もなくして、あの緑の美しい繭を作るはずだ。これもとても楽しみである。
ヤママユガの繭は、天蚕(てんさん)と呼ばれて、日本古来の野生の繭(野繭)である。いわゆる普通の繭(家繭)より、糸は太く光沢があり張度も強い。色は、緑がかった薄茶で、これから紡いだ絹織物は極めて高価で、昔は貴族しか着れなかった。庭の幼虫はメスのようだし、餌のコナラやブナも沢山あるから、どしどし増やして、いつか夏羽織でもつくろうかな(笑)。
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