2016年4月27日

巨大パラボラアンテナを操作してきた

 
 来月から本格運用が開始されるパラボラアンテナ(VLBI)の一般公開に行ってきた。これは、現在、つくば市の国土地理院にあるパラボラアンテナの後継である。やさとの小山の上に新設されたこの装置は、世界最高水準の性能を誇っているそうで、アメリカ、ドイツ、スペインに続いて4番目に設置されたそうだ。よくわからないが、原理は、数十億光年かなたのクエーサーから届く宇宙電波を、地球の複数のアンテナで受信して、それらに届くごくわずかな時間差を計算・解析して、数千Km離れた大陸間の距離を1ミリメートルの精度で測るのだそうだ。その観測結果は、地球の緯度・経度の基準設定、地震と関係深いプレート移動の監視、地球自転の精密測定、世界時、電子基準点の位置確定などに使われて、意外と我々の生活と関わりが深い。その他、高さの基準を作る絶対重力計FG5なども設置されていて、世界最高の最先端技術がここに集まっている。八郷には柿岡の地磁気観測所と並んで、世界に誇る施設が二つもあるのだ。いずれも、日本と世界の極めて重要な基準点となっている。


こんな機会はまず無いので、コントロールルームから、アンテナを動かしてきた。パソコン画面から、方向や角度などの数値を入れて実行ボタンをクリックすると、目の前の巨大なパラボラアンテナがぐるぐる回る。快感である。僕の前に並んでいた小さな男の子は、釘付けになって真剣な表情で操作していた。
 やっぱり、やさとは奥が深い。時間が止まっているような場所があるかと思うと、地球規模、宇宙規模の最先端の観測拠点もある。






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